牽牛星のよろず日記

自分の興味あることを思うがまま記述したいと思います。

怪物の肖像(『ダーマー』評論)

1991年7月11日、深夜、巡回中のパトロール中の警官の前に手錠を片手にかけ血相を変え『白人男性に殺されかけた』と黒人男性が助けを求めた。

 

そして、警官は男を連れ、その白人男性の住むオックスフォードアパート213号室へ向かう。部屋からは鼻を刺す異臭が漂い、白人男性は気さくに『冷蔵庫が故障して肉が腐ってしまったんだ』と説明する。しかし、手錠の鍵が入っている机の引き出しからは、人間の胴体が切断された写真が見つかり、緊急逮捕

 

その部屋の中から見つかったのは写真だけではなかった。

 

窓の下の青いポリ容器には人間の胴体が3つ、冷蔵庫からは内臓や骨、部屋のあちらこちらから人体の破片や頭蓋骨があり、部屋の中には11人分の人体があった。

 

白人男性の名前はジェフリー・ダーマー。ミルウォーキーの食人鬼の異名で知られ、14年間で17人の青少年を殺害した殺人者

 

 

 

①親の不在

 

1960年5月にミルウォーキーに生まれたジェフリー、通称ジェフ。幼い頃から父ライオネルは大学に通う学生で化学者となってからも研究に夢中で家庭を顧みることはほとんどなく、ライオネルの都合で引っ越しの耐えない環境だった。母親は精神的にかなり不安定な性格をしており、夫婦喧嘩はひっきりなしに起こっていた。

 

家庭に何の貢献もしないライオネルがジェフに与えたものは、昆虫採集のための化学薬品キット。この唯一の貢献が後の怪物のルーティンの原体験を産む。ジェフは昆虫を採集せずに、小動物の死骸を拾っては酸で溶かし骨を採集したり動物の死骸で遊んだりしていたそうだ。

 

死体に対して性的な興奮を感じるネクロフィリアに目覚め始めたジェフは内気でありながら、講義中に突然知的障害者のモノマネをして遊んだり、知能は高いと言われていたが、勤勉さに欠け、将来が危ぶまれていた。遂に両親は離婚。ジェフはどちらに引き取られるのか。

 

答えは、どちらもNOだった。

 

母親はジェフの弟を引き連れ家を出て、父親もどこかへ出て行った。裁判所も両親も、考えは同様だった。

 

ジェフはもう大人だ。

 

両親に捨てられ、自身を同性愛者だと自覚していたジェフは悲しみをぶつける先もなく、酒に溺れていった。このアルコール依存は社会からの隔絶を生む。

 

拒絶される愛情、マイノリティの苦しみ、貧困

 

彼が愛せたのは自身の愛情を拒絶しないものたちだった。マネキンを持ち帰り家で楽しんだり、虫や小動物を”壊したり”、死体に思いを馳せたり。。

 

こうして暗澹たる高校生活は終わりを迎え、17人を殺害する怪物が生まれようとしていた。

 

②17人の被害者

 

1人目 スティーブン・ヒックス(18)

 

1978年6月、高校を卒業したジェフはヒッチハイカー中の白人男性ヒックスを拾い、酒とマリファナで一緒に楽しまないか?と誘い自宅に招く。ひとしきりトークで盛り上がった後に、ヒックスが帰ろうとする。

 

帰って欲しくないジェフはダンベルでヒックスの頭部を殴打し気絶させる。そして首を強く締め、遂に絶命させる。その後に死姦し、腹を切り裂き飛び散った内臓を見てジェフは性的に興奮したそうだ。しばらく死体を放置しておくと腐敗が進むため、頭部以外を切断し肉片は全て森に埋めた。

 

決して計画性はなく、帰ろうとしたことに痛烈な寂しさを感じ突発的に殺害に及んだ。この後の殺人の手法は、この時点で形成されていたと言える。

 

2人目 スティーブン・ツオミ(24)

 

最初の殺人の後、オハイオ州立大学へ入学するもアルコール中毒で学習は困難で中退。その後に衛生兵として入隊する、しかしアルコールに再び依存し名誉除隊する。ジェフの将来を考えての名誉除隊であったが、皮肉にも、軍で学んだ化学の知識と一部軍人への投与も含めた実験によって殺人鬼の”ルーティン”は完成する。そして祖母の家に身を寄せチョコレート工場で働き始める。

 

1987年11月、ゲイバーの白人男性スティーブンと懇意になりホテルで性的関係を結ぶ。そしてジェフが目を覚ますと、一夜限りの恋人は血を流して死んでいた。ジェフは絞殺した記憶さえ失っていた。死体隠蔽のためトランクにスティーブンを詰め込み祖母の家へ持ち帰る。

 

そして地下室で死体を解体。複数のゴミ袋に分けてゴミの日に出した。

 

3人目 ジェームズ・オックスタトール(14)

 

1988年1月、お金を払うからモデルになってくれないか?とインディアン系の少年を誘い、祖母の家に招き睡眠薬を盛り昏睡させ絞殺、死体は地下室で解体し骨は細かく砕き周辺に捨て去ったそうだ。

 

ここでジェフの殺人ルーティンは具現化した。思い通りにならない人生への絶望から相手を殺してから性行為に及ぶことで快楽を感じていたジェフは、軍で学んだ化学の知識を用いて薬を盛り、少年時代の化学薬品セットによる研究で学んだ技術で死体や内臓を処理、そして、このルーティンをブラッシュアップし続ける。

 

4人目 リカルド・ゲレーロ(22)

 

1988年3月、ゲイバーで出会ったヒスパニック系の青年リカルドを誘い、モデルにならないかという決まり文句で祖母の家に連れていき、薬を盛り絞殺、死体を地下室で解体、ゴミ捨て場に捨てる。3人目で確立したルーティンの実践だった。

 

祖母は地下室の異臭に気づき、ジェフの父親であるライオネルを呼ぶ。地下室の異臭の正体を問われたジェフは剥製作りだと言い訳するも父親から祖母の家を出て自立することを促されることになる。

 

4人の殺害を果たしたジェフ、5人目を狙ったところでミスを犯す。ラオス系少年をルーティンに乗せようとするも途中で失敗。薬を盛ってフラフラの状態で少年は逃げ出し警察に。そしてジェフは未成年への第2級性的暴行容疑で1年間の強制施設行きを命じられるも、労働や自由時間も一定数許可される寛大な処分に終わる。

 

この少年トムサックの弟こそが13人目の死者であることは、この時誰も知らない。

 

5人目 アントニーシアーズ(24)

 

5月に判決公判を待つ身でありながら1989年3月にジェフはゲイバーに出入りしていた。そして5月に判決公判を待つ身でありながら例のごとく、黒人男性アントニーを祖母の家に誘い込み、薬を盛り、絞殺し、死体を解体し、ゴミの日に出した。

 

1990年3月に仮釈放となったジェフは新居を探す。金銭的に余裕のない彼にとって家賃が少ないミルウォーキー屈指のスラム街のオックスフォードアパートに居を構えるのは必然だった。213号室、ここでジェフは次々と殺人を行っていく。

 

 

6人目 レイモンド・スミス(32)

 

1990年5月、イリノイ州の刑務所を出所した青年レイモンドをルーティン通りに処理。”神殿”と呼ばれた213号室での最初の犠牲者となった。邪魔をする祖母はいない、スラム街なので警察の目も行き届かずジェフの殺人は加速してく。

 

 

7人目 エドワード・スミス(27)

 

1990年6月、ターバンを巻いたゲイの青年エドワードをルーティン通りに処理。この調子で8人目に手をかけようとヒスパニック系の青年を誘うも失敗。しかし殺人の快楽に取り憑かれたジェフの忍耐は数ヶ月しかもたなかった。

 

 

8人目 アーネスト・ミラー(23)

 

1990年9月、黒人男性ダンサーのアーネストを誘い込みルーティン通りに処理しようとするも、服毒し昏睡させてから喉を掻っ切り死体を処理した後に、食人に至った。

 

 

9人目 デイビッド・トーマス(22)

 

1990年9月、ひと月に2人というハイペースで、またも黒人ダンサーであるデイビッドを手にかけた。

 

 

10人目 カーティス・ストローター(17)

 

1991年2月、ルーティン通りに処理され遂に殺害人数は10人に至った。ただ、この殺害人数は認定されているぶんだけで軍人時代には周辺地域で死亡事件が発生しており、これをジェフの犯行とする説もある。

 

 

11人目 エロール・リンゼイ(19)

 

1991年4月、ジェフは、ここで新たな実験を開始する。ルーティンのアップデートに成功し、食人も達成した彼の次の目的は”完全なる飼育”だった。ジェフの犯行の中心にあるのは、相手を思い通りにしたいという欲求だ。

 

拒否されることへの異常なまでの恐怖心から相手を昏睡させてから行為に及んでいた。しかし死体相手では満足感が得られなかったのだろう。生きたままで服従させられないか考えたジェフはロボトミー実験を開始する。

 

早い話が前頭葉を除去し服従人間を作ることにあった。エロールを誘い込み薬を盛り、そして頭蓋骨に穴をあけて塩酸を流し入れた。しかし、そんなことなど上手くいくはずもなく失敗。ルーティン通り処理をした。

 

 

12人目 トニー・ヒューズ(31)

 

1991年5月、生まれつき耳が聞こえない黒人男性トニーをルーティン通りに処理する。

 

 

13人目 コネラック・シンタスモホイ(14)

 

1991年5月、モデルにならないか、ラオス人少年コネラックを誘いルーティン通りに処理しようとする。コネラックの兄はジェフのかつて性的暴行容疑における被害者だった。その事をコネラックは知っていたはずなので、よほどジェフの誘いが魅力的だったのかもしれない。

 

ジェフはルーティン通り薬を盛り昏睡させ性的暴行を加えた。ルーティン通りの絞殺へ向かう前にロボトミー実験第2弾を実施するも、買い物へジェフが出かけた隙をついてコネラックは外へ飛び出すもアパート外で倒れてしまい、心配した住人によって警察がやってくる。

 

警察に対してジェフは慌てず落ち着いて対応し、迷惑をかけてすまないこと、ラオス人少年は恋人で同居している。写真もあるので部屋に来てくれ。警官は、その穏やかな対応を見てジェフの言い分を信じてしまった。そしてジェフはいつものルーティンで処理する。

 

14人目 マット・ターナー(20)

 

1991年6月、シカゴで黒人男性を誘い、いつものルーティンで処理。しかし、ジェフが神殿で殺した数も9人になると、いくら解体しているとは言っても限界はある。さらにジェフは殺害が目的ではなく、無抵抗の状態の生命体の破片が好きなだけで、皮膚や臓器、頭蓋骨は保存してあるので異臭はとんでもないレベルだった。

 

異臭の苦情に耐えかねた管理人はジェフに退去勧告を送り、また職場でも欠勤が相次ぎチョコレート工場をクビにされた。それでもジェフはルーティンを止めなかった。

 

15人目 ジェレミー・ワインバーガー(23)

 

1991年7月、同様にシカゴの黒人男性を誘いルーティンで処理。

 

16人目 オリバー・レイシー(24)

 

1991年7月、トラック運転手を誘い、ルーティンで処理。

 

 

17人目 ジョセフ・ブレードホフト(25)

 

1991年7月、白人男性を誘い、ルーティンで処理。

 

そして月に4度目のターゲットとなった黒人男性が逃げ出し、ジェフの殺人は17人で止まり厳罰に処され936年の禁固刑の判決を受けたジェフは犯行を認め死刑を望んでいたそうだ。彼の願いは叶わなかったが、逮捕されてから3年後、塀の中で黒人の囚人によって撲殺され34年の生涯の幕を閉じた

 

③背景と分析

 

3-1 なぜ続いたのか?

 

これは持論ではあるが、頭の良い人間は殺人を犯さない。というのは大抵のコミュニティにおいて殺人は法で禁じられ、発覚すると厳罰に処されてしまう。完全犯罪を成し遂げるために労力を割くよりも、犯罪にならないレベルで対象者を苦しめる方法を考える方が生産的だと考えると自分は思う。罰せられるのは罪人であって悪人ではないので。

 

そして社会からの距離である。一定の食い扶持や集金装置を有し、家族や友人に囲まれているならば犯罪を犯すリスクは快楽よりも上回るはずだ。

 

こう考えると殺人、それも大量殺人が発生するのは相当に異常な精神を持っているか、それか調査側、警察側のシステムに何かしらの問題がある場合だ。本件はそれに該当する。

 

ジェフの一連の殺人が成功したのは、警察や司法の人種差別的方向性があったとの指摘がなされている。13人目のラオス人少年は警察に見つけてもらえたのに白人男性であったジェフの言い分を信用しIDもチェックせずに病院へ送る事もなくその場から離れてしまい、結果ジェフの餌食にあってしまい、当該警察官は辞職している。

 

ジェフは黒人の多い貧民街で治安当局のレベルの低い地域で黒人、それも同性愛者を狙い次々と殺していった。捜査は進まずダーマーの神殿が見つかるまで連続失踪事件として扱われることさえなかった。アパートの隣人からの再三にわたる通報も、”黒人街のいつものこと”と扱われ、まじめに向き合うことさえしなかった。

 

ダーマーは知能は高いらしいが、利口とは言えない。彼が優秀だったというより、あまりにも警察がザルだったと言わざるを得ない。突発的な殺人が従軍時代の薬学の知識と幼少期の解剖の知識によって体系化し、警察に対しての落ち着いた対応も起訴されたりした経験が慣れを与えていただけだ。

 

黒人の多い貧民街に住んだのも単純に家賃が少なかっただけで警察への警戒はなかった。捕まるのは嫌だが、捕まらないように必死に考えるほどの努力はしていなかった。服毒してから数回逃げ出されていることも、服毒してから拘束しておかないミスがあり、異臭が出れば通報は相次ぐはずなので対処すべきだった。

 

ロボトミー手術も、薬学や解剖学の知識を用いたルーティンに突然入れるには理論的に厳しいだろうし、まともな学習なしに頭蓋骨に穴をあけて塩酸を流し込むなど意味不明である。

 

怪物ダーマーは決して優秀な犯罪者ではなかった。むしろ彼は逃げている気さえなかったのかもしれない。自身の感情の赴くままに最低限の隠蔽のみをして淡々と獲物を狙い続けていて、それがたまたま捜査機関の不備で17人殺すまで捕まらなかっただけなのである。

 

3-2 怪物の正体

 

ミルウォーキーの怪物は前項でも述べたように警察から捕まらないサスティナブルに殺人を遂行し続ける方法を考案したわけではない。人種差別や同性愛嫌悪を背景として捜査機関が機能していなかっただけだ。

 

それは彼が殺人を目的にしていたわけではないからだ。彼が望んでいたのはNOと言わない自分を愛してくれる人物だった。昏睡、死亡と相手が意思表示できない状況にしてからでないと自分を拒絶されるのではないかとの思いからコミュニケーションが取れなかった

 

彼の境遇はシリアルキラーや大量殺人者によく見られるものだ。

 

父親の不在、愛の欠落、社会からの断絶。

 

彼は神格化されるほどの犯罪者ではない。場当たり的に自らの快楽に従って行動し続けた人間を環境的要因と時代が、殺人を見逃す結果となり怪物レベルの殺人数を許してしまった。本作では、そのことが強調されており本質的な批判であると感じる。

 

1980年代初頭にジョージア州アトランタでは黒人少年の連続誘拐事件が起きた。ウェインウィリアムズ逮捕によって終結した事件では、26人の黒人少年の死亡事件ということもあって被害者家族を中心に白人至上主義団体による犯罪なのでは?と言われ、犠牲者が黒人だから怠慢な捜査姿勢なのだと批判され、連邦助成金によって大規模捜査の末にウェインを逮捕した。

 

米国の警察、特に貧困層の多い地域における治安の不安定さは勿論だが警察力がそもそも劣っている。予算も十分ではなく人的資本も厳しい限りだ。

 

ただ大切なのはジェフは差別主義者ではなかったということだ。彼は全く人種で人を判断していなかった。そもそも金銭的余裕のない中で黒人街の安アパートに住むことになり、その周辺で適当なターゲットを拾っていったに過ぎないのだ。

 

愛を受けずに育った子供は、拒否されることへの恐怖を抱えながら愛されたかった。

 

殺人鬼を生んだのは”環境”だったのかもしれない。

 

 

終わりに

 

僕には昔から理解し得ない人々がいた。

 

性交渉を望み童貞であることを引け目に感じる人々である。

 

そんなに性交渉したいなら性風俗店に行けばいいのに、なぜなのか?と

 

しかし、彼らの思考が分かってきた。彼らが望んでいるのは性交渉ではなく、性交渉を許してくれた、という承認なのではないだろうか。金銭によってでなく、自分本来の魅了によって性交渉を許してくれる、そんな展開を欲しているのではないか。

 

この思考はジェフと、よく似ている。

 

自分を愛して欲しい、承認して欲しい、受け入れて欲しい、でも自分にそんなことを許してもらえる中身があると思えない、自信がない。だからこそ劇薬で昏睡状態にしないと気持ちを伝えられない。殺してからでないと愛せない。でも、本当は生きた状態で自分そのものを愛して欲しい、だから物言わぬ生きたゾンビになって欲しい一心で予備知識もないままにロボトミー手術を敢行する。

 

こじらせた童貞がジェフになるとは言わないが、”怪物”の思考は特別なものではなく、そこかしこに予備軍を抱えているように感じてならない。

 

ジェフは怪物ではない。両親のどちらかが側にいて熱心に彼の発言や言動に耳を傾けていたら、警察が黒人のいざこざと無視せずに近隣住人の意見に耳を傾けていたら、17人もの犠牲者は出なかったのではないだろうか?

 

もし怪物がいるとすれば、それは己のことしか考えず他人の意見や叫びや苦しみに耳を傾けなくなった社会そのものこそ真の怪物なのだ。我々が、この一件から学べるのは、弱者の意見に耳を傾け、相互の繋がりを大切にすることではないだろうか。ジェフはこう言っている。

 

『相手と深く関わることを意図的に避けていた。そうすれば相手を生き物と思わずに済むから。罪悪感がなかったことはないし、殺して良いとなんて思わなかった』

 

社会やコミュニティから隔絶され、愛を求め、相手の自由を奪うことでしか、心を開け無くなった悲しきモンスターの言葉だ。

 

これは遠いアメリカの昔の話ではない。今もどこかに”ダーマー”はいる。

 

弱者の声に耳を傾ける事、相互に連帯し、繋がりを持ち続ける事。今の社会には、こういったことが求められているのかもしれない

 

現在、ダーマーの神殿と呼ばれた、オックスフォードアパートは取り壊され更地にされているそうだ。遺族の一部から犠牲者を悼む慰霊公園にして欲しいとの願いがあったそうだが、それは未だに実現されていない。

 

ミルウォーキー警察の失態や行政の恥部を忘れて欲しいという思いがあるのかもしれない。しかし、この事件において重要なのは、目を背け耳を傾けなかったことにあるはずだ。

 

忘れてはならない。この悲劇を繰り返さないために、17人の死者とダーマーを。このブログ記事を書こうと考えたのは、慰霊碑の不在を受けて、一人でも多くに人に知ってもらうためだ。

 

慰霊碑にはほど遠く、このブログの読者数は知れているだろうが笑、このブログ記事を読まれた方が、ダーマーの事件を知り、第2のダーマーの出現の阻止について考えてくれたら至上の喜びである。

 

17人の犠牲者の方々に深い哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々、被害者の方々に心より、お見舞い申し上げます。

 

この悲劇を忘れず、第2のダーマーを生まない社会を構成する一員として、自分に出来る事を考え行動して参ります。

 

ご一読賜った読者の方々にも、感謝申し上げるとともに、記事を結ぶこととします。