牽牛星のよろず日記

自分の興味あることを思うがまま記述したいと思います。

"Wonder Wall"(MCI22/23シーズン選手名鑑+α)

 

 

第1部 22/23選手名鑑

 

1-1 22/23陣容(仮)主要構成選手

 

①コア

 

魔神 ハーランド

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遂に念願の9番がシティに。3年間事実上空位の生産者の玉座に座る存在にしてシティOBの息子という縁もあり、紆余曲折を経てミッシングピースが埋まった。

 

今季の最大の補強であるが、取り敢えずはチームの基本生産体制であるロークロス爆撃を得点変換し、イニングを適度に食いながらの適応が求められる。期待も大きいがポテンシャルは十分で支配層候補の実力を遺憾無く発揮することに期待したい。

 

ペップシティサイクル3の主人公候補であり、シティはハーランドに点を取らせる戦型の構築と、そこから逆算されたモデルを生み出す必要がある。怪我も少なくないためプロテクトも含めて不安はあるが、まずは適応すること、そこからだろう。

 

神 デ・ブライネ

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昨季の弊ブログ選手名鑑で選手寿命を考えて4番で遊撃ピボーテという新たな描像を示すのではと書いたが、当人はそれに反するように中距離打者へとモデルチェンジした昨季は、積極的にゴールを狙い打点を求めた。

 

今季はハーランドの衛星としてチャンスメークしながらも本人も隙あらば得点も狙うSTへと本格コンバートする可能性もある、ペップ到来でトップ下からIHにポジションを下ろした時以来の”異動”を本人がどうこなすのか、楽しみである。

 

年齢と勤続疲労を考えるとフルシーズンの安定は望めない。リーグ戦のビッグマッチとCLでの同格以上との戦いで本領を発揮出来るように慎重な運用が求められる。必殺クロスを活かすべくRWG起用もあるか。今季は多彩なKDBショーが見られるかもしれない。

 

柱 ルベン

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昨季はシーズン通して相方が安定せず、無理のきくストーンズではなくラポルテ、アケというイマイチ信頼出来ない選手とのコンビということもあり負担は増したせいか、後半に怪我で離脱した時も早期に復帰しチームの窮地に駆けつけた。しかし身体的限界からか、リーグ優勝決定試合には出られず後味の悪い終幕を迎えた。

 

チームの柱ではあるが人柱になってもらっては困る。ルベン、ウォーカー、ストーンズは替えのきかない重要選手であり、特にルベンがコンパニの二の舞になるのは避けたいので、安定した相方を望みたいところ。ストーンズには昨季を上回る出場が求められるだろう。

 

LCBはまともなLBがいない左側のカバーもあるためポジ変更も出来ず、今季も不安定なDFラインの精神安定剤としての役割が求められる。何とかシーズン持ってくれ、祈るばかりだ。

 

決戦兵器 ウォーカー

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圧倒的守備力で相手LWGを封殺するデュエル絶対負けないニキはチームの大きな武器。しかし昨季は軽率なプレーでCLで3試合の出場停止処分を食らった挙句、大事な後半戦も怪我で穴を開ける試合が少なくなかった。重要選手として落ち着いた振る舞いを求めたい。

 

昨季から残る盾、攻める矛としても貢献が求められており、ハーランド目掛けてのクロス爆撃への参加となるか。ハーランドの得意戦型の見極めにもよるが昨季の23ビルド、41ビルドに加え柔軟な立ち位置を求められるだろう。

 

リーグ開幕戦ではIHのように中盤でパスを繋ぎ、偽SBも板についてきて、ウォーカーの変化と進化がチームに何をもたらすのか注目したい。今季のシティの重要テーマのSBの動かし方において挙動が注目される。

 

神へと至る道 ロドリ

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世界最高峰の4番、昨季のパフォーマンスは圧巻でMVP級の活躍ぶり。ボールを動かし相手を動かし、弱点だった周囲のカバーがないとトンデモ判断をしてしまうことは減り、ヘソからチームを動かすペップの理想を見事に具現化してみせた。

 

冷静な判断、ボール保持の技術力の高さ、正確なパス、そして機を見て持ち上がってのシュート、足りないのは高精度のロングフィードくらいか。ここは新加入のフィリップスから学べる部分は少なくないはず、左右に正確に長いボールを蹴り分けられるようになると、より完成度は増すはずだ。

 

支配層MFと呼ばれる日も遠くない選手なので怪我なくプレーして欲しい。2ボラ導入も十分に考えられ、そこでもプレー精度を落とさずにプレー出来るか、完成度は高いが、まだ伸び代もあるはず、ロドリ神へと至れるか、大いに期待したい。

 

終わらない逡巡 ベルナルド

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もしかしたら、今夏でいなくなるやもしれないシティの賢者は2年連続で退団騒動に揺れている。個人的には不確定因子の存在は中長期計画立案にとって小さくないノイズとなるため、出来たら将来にケリをつけて欲しい。毎年毎年故郷がうんぬん聞かされるもたまったものではないので。

 

とはいえ重要度は相変わらず。だからこそベルOUTのスキーム作りも残酷にも進めていくのがペップという男なわけで。4231にしてダブルボランチを導入し下り目のIHのベルの代わりに上がり目のボランチのフィリップスをコアにする考えもあるか

 

残るか出るか、どちらにせよプレス強度とインテリジェンスは傑出しており、残ってくれると良いのだがカタルーニャからのラブコールも声量を増している。個人的にはベルよりもチアゴ帰還の方がバルサには良いと思うのだが。

 

必殺の左足 マフレズ

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サラー、メッシという人外を除けば世界最高峰の逆足RWGという評はマフレズが優秀な選手ではあるが、支配層レベルに到達するほどではないことを示している。足りないのはコンスタントに圧巻のプレーを出力する継続性。大一番でクラッチヒットを打てば良いのは事実ではあるのだが、やはり物足りない部分が否めない。

 

至極のトラップ技術、ドリブルからシュートへ持ち込む暴力性、数少ないペップシティの得点の匂いを醸し出すWGだった。しかしハーランドがやってきた。レバ同様にペップがクロス爆撃を実施するなら同足のアルバレスがRWGとしてプレーしマフレズは”代打”の可能性も

 

ロッベンとレバはイマイチ上手く行っていなかったが、シティ入りを直接薦めた間柄のハーランドとマフレズがビッグゲームで、どのように調和を図るのか楽しみだ。

 

決意の一年 ストーンズ

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一度で良いから見てみたい

 

怪我しないストーンズと遵法精神のあるメンディ

 

昨季は失望の一年と言って良いはずだ。長期契約でシティのコアCBとして囲った矢先に代表での怪我を引きづり、最後まで安定しないフィジカルコンディションだった。コアから外すのかコアとして扱うのか厳しい選択を迫られた。

 

無理のきく守備力と国産コアCBという怪我さえしなければ覇権CBなのだが、今季はある程度はイニングを食ってくれると信じたい。まぁW杯でイングランドがどこまで勝ち進むかにかかってもいるので何とも言えないが。

 

昨季はRBにも挑戦しウォーカーの穴を埋めた。偽CBストーンズと偽4番フィリップスで攻守交代時にポジションを縦に入れ替えるUT戦術の使用もあるか、潰しとインテリジェンスに優れたコアCBの今季の無事を祈るばかりだ。

 

狂人 エデルソン

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ペップチームのポルテーロとして絶対的な存在として君臨して今季で6年目、昨季は危ないシーンに遭遇してもびくともせずに落ち着いて対処してみせ、相変わらずのサイコパスぶりを見せてくれている。

 

今季は最前線中央にハーランドがおり、裏抜けを得意としているため低弾道パントキックや長いパスは有用に働くはず。アグエロの時もそうだったが中長距離のパスによる貢献を更に求めたいところだ。

 

個人的にはエデルソンがフィールドプレイヤーとしてどれだけ出来るか興味があり、幻に終わったノイアーのMF計画の再挑戦を見てみたい。GKが共存するという新たな景色が見られることを密かに祈っている。

 

 

②準コア

 

新時代 フォーデン

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順調に育ったEDSの星、フォーデンは今まさに支配層になるかどうか、が求められる。ハーランドとの協調、独力でのGAという直接的な結果の出力向上に加えて生え抜きとしてシティを代表するワールドクラスになれるのか。

 

昨季はIHにも挑戦し、偽9番も含めてヘソ前の5ポジのうち3つをこなすコアUTとなった。残るは右方のWGとIHのみ。おそらくそちらにも今季は挑戦するだろう。マフレズの後継も考え始める時期なので、両翼での完備性を上げ、より完成度を上げる一年となるか。

 

破壊力抜群の同足LWG、独力最終生産可能なRWG、生産もこなすダビシルバIH、バイタルエリアから独力でゴールへ襲い掛かる偽9番、これらを同時に備えたウルトラコアUTが最終到達点になるか。

 

フィルこそシティ、コアUTこそペップシティなのだろう。

 

激務の代償 ラポルテ

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昨季は怪我で常時欠場が続いていたCBの穴を埋め、ルベンと共にシティの最終防衛ラインの死守に努めた。大一番でのやらかし癖とフィード力の活かしどころの喪失でストーンズにポジションを奪われた悔しさを晴らす一年となった。

 

ただ弱点がなくなったわけでもない。シティにとって重要なCLにおいてはストーンズを出せたらと嘆くことは少なくなかった。今季は裏のスペース目掛けてハーランドを走らせる事も少なくないだろう。そこでフィード力は活かされるか。

 

今季はペップバイエルンのように中央の巨人の最適運用の設定が求められ、その中でクロス爆撃するなら両翼にプレスのかかりずらい配置からの長いパスの重用は増えるはず。またLBオプション起用もあるやもしれない、昨季の限界を超えた起用で身体が悲鳴をあげたか今季は1ヶ月の欠場が確定、代償が重くならないこと祈る

 

色男の苦悩 グリーリッシュ

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昨季はカンセロのLB起用でハーフスペースを味方に占拠され、ゴールから離れた位置でのプレーも多く、そこを見かねたのか偽9番でニュートラルから中央でプレーさせる事もあった。王様はシティで輝くか、マフレズは可能と3年目で示した。そこに連ねるのか。

 

同足LSBの到来で好転するかと思われた立場は、相変わらず変態逆足LSBがスタメンを続ける限りはLWGでの輝きは限定的だろう。IHでデブ神を休ませながら同時起用でも輝く、というのが現実的か。

 

本人も自由を制限され、戸惑いと焦燥を感じているやもしれないが、実力は十分、マフレズのように王様時代の出力はシティでも出せるはず、今季が本番、雑音と焦燥の中でイキイキとプレーできる日々の到来を待つ。

 

3年目の遊撃手 カンセロ

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昨季は不動のコアLBへと序列を上げた印象のカンセロ。グリーリッシュから輝きを奪ってもなお、デブ神不在時のSBの仮面を被った10番として後方からチャンスメークし続けた。ダニーロとのトレードで来た控えSBは20/21シーズンに5レーンお助けSBとしてカンセロロールでブレイクし、昨季はラテラルファンタジスタとして逆足LSBの地位を築いた。

 

守備的不安は確かにある。最終生産が滞る最前線において遊撃するSBは大きな武器となり、デブ神がいなくても一定の好機を生み出すセカンドオピニオンを提示した。攻撃性能とチャンスメークには何の不満もないだろう。

 

プロパーLBが不在のチームで求められるのは当然守備力だろうが、むしろ攻撃力をもっと鍛えてほしい。具体的に言えばシュート技術だ。逆足なのだから力強いシュートを左翼から打ち込んで欲しい。今季から背番号は7。”WG”のような攻撃力を備えて、更なる高みを目指して欲しい。多少守備の出来る攻撃的SBではなくベイルのような変異を期待する。

 

クラッチ ギュン

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昨季最終節での大逆転劇の立役者ギュンは偽9番スキームもプロパー9番設置にも難なく対応出来る経験と実力はある。レバ時代も偽9番時代も、ここぞのタイミングで駆け上がりゴールを奪って見せるスタイルは不変だろう。

 

契約最終年となる今季、シティでのラストシーズンになるやもしれないが、果たす役割は大きいだろう。主将としてのリーダーシップも求められるだろうし、デブ神、ベル、フォーデン、グリといった選手たちとの競争も苛烈で、スタメンで出ることも簡単ではない。

 

9番獲得によるクロス爆撃に伴いロングパスが増える中で、長短様々なパスを用いながら正確で小気味良いリズムを刻み、膠着した中でクラッチを決める。今季で最後となるかもしれない勇姿を一年じっくり見せて欲しい。

 

英国の宝石 フィリップス

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功労者ジーニョの後釜として獲得された国産4番フィリップス。ヨークシャーのピルロの異名通り中盤底からのロングパスは大きな武器になるだろう。2ボラでロドリの相方として、1ボラで4番として、緊急時のCBとして、頭数の少ないLBとして、多様な起用が考えられる。

 

アロンソビダルを足して2で割ったような剛柔両方に長ける4番は前に出て潰す事も厭わず、中央底からの左右へのアイソレートWG目掛けてのロングパスを打ち込み、DFラインでも問題なくプレー出来るはず。早期の適応に期待したい。

 

前方5レーン全てをこなす前のコアUTがフォーデンの最終到達点なら、フィリップスは後方5レーン全てをこなすのが最終到達点になるか。アロンソビダル、ハビマルを足して3で割り、そこにウォーカーの成分も入れたウルトラコアUTになってくれたらと妄想している。

 

空位を傍目に アケ

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移籍も噂されたサラーキラー。守備的LSBとしてCBのスタメン奪取に燃える男は今季何を残せるだろうか。セットプレー時にはヘッドでチームに貢献出来、ラポルテの体調が不安定な今、最大のチャンスだろう。

 

まともなLSBがおらず、ルベンの相方候補の二人もスペのストーンズ、昨季のダメージを引きずるラポルテのLCBでスタメンが取れないなら、恐らくこの先のキャリアも期待は出来ない。チャンスでもありピンチでもある現状で何を残せるのか

 

昨季終盤に何か掴んだのか、支配層のサラー相手に指し手を読み切って止めていたので、その調子で今季も頑張ってほしい。LSBとして相手RWGを止め切る防波堤として、LCBでルベンを補助できれば。来季のDF補強次第では立場は危うくなる、今のうちにアピールを

 

 

③プロスペクト

 

蜘蛛男 アルバレス

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リーベルで大切に育てられたアルゼンチンの未来は半年のレンタル期間を経てシティに満を辞してやってきた。アグエロを意識しているのかもしれないが、個人的にはミュラーグリーズマンのようなSTで衛星的に動きながら幅広いシュートレンジを活かすプレイヤーの印象。

 

まず求められるのは欧州での生活に慣れ、シティでのプレーに順応すること。RWGでチャンスメークしながら機を見てシュートを打ったり、中盤でCFの空けたスペースに飛び込んだりと動いてナンボのスタイルを確立できるか。

 

アグエロよりはディバラのようにSTでのチャンスメーク能力を持ちながら、WGでもプレー出来るUT性を持った万能選手になるために、一歩ずつ順応していく一年になるだろう。

 

遺された希望 パーマー

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EDSの星フォーデンの再現を、といきたいところだが、デラップはレンタル放出間近、エドジー、ラビアは放出、マカティもレンタル放出と、シティの1軍に残ることの難しさを知らしめている。そんな中で唯一戦力としてカウントされているのがパーマーだ。

 

長い手足と確かなコマンド力を持っていて個人的にはロドリが不安定だった2年前には4番としての育成を提言もしたが、ロドリが一本立ち、フィリップスも加入となると、恐らくFWでの育成となるだろう。

 

どこまでイニングが食えるかわからないが怪我体質の改善とコンスタントな出力でチームに貢献してくれることを願いたい。

 

好機到来 エスブランド

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EDSのLB選手、としかほぼ知らない選手だが、PSMで見る限りは守備力は上々でバランスの取れたタイプに見える。ただメガクラブのLBとしてはいささか物足りない。身体能力の高さはあるものの怪我も少なくない模様なのも心配。

 

カンセロかメンディかと言うとメンディっぽいんだろうが、まだ荒削りでPSMでは好印象を残してはいたもののパスは雑でポジショニングもまだまだ修正が必要な印象。カップ戦要員が現状では精一杯だろう。

 

21を継ぎし者 ゴメス

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ククレジャを取り逃がし、ラストピースであるLBとしてコンパニの指導を受けていたバルサカンテラ出身のゴメスが獲得された。カンテラ時代は左利きで2列目ならどこでもこなせるUT選手の印象が自分にはある。

 

紆余曲折を経て、シティのLB獲得候補に上がった時は、LBが出来る選手になってることに驚いたものだが、ジンの穴埋めとしてはピッタリだろう。元MFで左利きでカンセロよりは多少は守備が出来て、シティズンらしくファン受けも良いだろう。

 

実際試合を見たこともないのでハイライトプレー集で確認したが、気になるのは何故LBにコンバートしたかだ、攻撃力が足りなかったのか、守備力が高いと判断したか。このコンバートの理由次第で評価は大きく変わるだろう。

 

 

 

 

1-2 ポジション別序列

 

システムは昨季までの基本布陣である433を想定している

 

①CF

 

主力 ハーランド

控え フォーデン、アルバレス

 

ここは当然コアはハーランドになる。主力としての活躍を望みたいところで、一番の得意技である裏急襲がとりあえずは中心で、既存スキームのロークロス爆撃も実施されるだろう。ただ怪我体質であることを考えると、アルバレスやフォーデン起用も求められる。

 

433のCFだけでなく、4231導入、442導入により2TOPをオプションとして使い、ハーランドと誰か、というデュオもあるか。FWデブ神も十分考えられ、新加入の2人であるハーラとアルバレスを適応させながらも最適解を探ることになる。

 

後方からの縦ポンや裏抜けとロークロス、そして出来たらハイクロス攻撃、こういった部分をどれだけ得点パターンとして確立出来るか、が鍵を握るだろう。

 

②WG

 

主力 マフレズ、フォーデン

控え グリーリッシュ、アルバレス、パーマー

 

ジェズスとスターリングの2人を放出しWG部門はアルバレスのUT性とパーマーの成長に賭け補強は見送られた。フォーデンは右でのプレーも増えるだろうが、勝負スタメンにおいては右はマフレズになるだろう。

 

グリーリッシュは純正レフティLBの加入が事実上見送られたことの煽りは受けるだろう。ハーフスペースへの侵入はカンセロに遮断される可能性がある。LBがゴメスの際にはグリーリッシュを起用、カンセロの際はフォーデンというセットでLWG+LSBは固定するか。

 

③IH

 

主力 デブ神、ベル

控え ギュン、グリ、パーマー

 

世界最高峰とも言われるシティのMF陣、特にIHは鉄板の二人にキャップがカバーに入る形が今季も採用されるだろう。ここにグリが一定の出力が出来るなら何の心配もない。パーマーもFW起用に集中出来るはずだ。

 

ベル離脱も考えるとレンタル先でマカティの成長に期待したいところだが、現実的には2ボラを採用しリスクを軽減するだろう。デブ神を10番にコンバートさせ、デブ神の後継をトップ下でもSTでもどちらでも対応出来る形を用意することも視野に入る。そうなると2ボラなのでロドリの相方はフィリップスでも務まるだろうし、ここはペップの運用に注目したい。

 

 

④DMF

 

主力 ロドリ

控え フィリップス

 

世界最高峰の4番ロドリが君臨するポジションにリーグでも屈指の国産4番フィリップスを加入させた。もちろん4番の層を厚くすることも狙いだろうが、ベンチにフィリップスを置き続けるとは考え難い。

 

おそらく2ボラで横に並べての同時起用、フィリップスCBでの縦に並べての同時起用が考えられる。ロドリにはないロングフィードの正確性や飛び出してのプレーと運動量をもつフィリップスの運用は鍵を握るだろう。

 

ロドリが昨季は1年完璧なイニングイートを見せただけに、フィリップスは遊兵として様々なポジションで起用出来るだろう。SB、CB、DMF、IHと様々なポジションで試されるはずなのでフィリップスのUT性に期待したい。

 

⑤SB

 

主力 ウォーカー、カンセロ

控え アケ、ゴメス、エスブランド

 

剛のウォーカーと柔のカンセロのラテラルコンビは今季も健在か。出来れば守備的LBが欲しいところだが、安定の純正LBレスで今季も戦う。RBが2人、ユースLB一人と元MFのLBが一人とLBの不安は解消されていない。

 

今季のSBは偽SBスキームに加えて、更に前のIHポジションにまで進出し、機を見て飛び出す方向性も求められており、ますます主力クラスでないと対応出来ない難解さ。アケは対応出来ないだろうし、ゴメスとエスブランドも荷が重すぎる。

 

主力2人が出れるか否かで大きく差が生まれるポジションであり、チームの挙動に大きな影響を及ぼすので、ウォーカーとカンセロのイニングイートは相当なレベルを求めたい。

 

⑥CB

 

主力 ルベン、ストーンズ、ラポルテ

控え アケ、フィリップス

 

絶対軸ルベンは良いとして、問題は相方だ。手術明けのラポルテと怪我がちのストーンズの2人で出場時間を分け合う形が理想か。そこにアケがどこまで食い込んでこれるか。フィリップスもUTで対応するかもしれないが、現状では厳しいか。

 

クロス爆撃や裏抜けを含めロングパスの精度は重要度を増すため、ラポのフィード力やストーンズのパスセンスは求められるはず。ただSBを両方インサイドに入れるスキームの導入のため帷を抜けてきたアタッカーを止める役割が、特にビッグマッチでは要求されると思うので、そういう意味でも理不尽な防御力を持つCBが欲しかったところだ。

 

来季、狙いのCBかLBがいるためにクク獲得を見送ったとするなら、今季は我慢の運用となるかもしれない。昨季のDFコアのプロテクト失敗から学び健康体を主力には保って欲しい。

 

⑦GK

 

主力 エデルソン

控え オルテガ

 

狂気をまとうペップシティのポルテーロのスタメンは今季もエデルソンで決まりだろう。控えにW杯を見据え出場時間を求めてレンタル放出されたステフェンに代わるGKとしてオルテガを獲得。

 

プレー集を見る限り、足元のテクニックもある模様で、これは自分の念願でもあるエデルソンのLB起用という狂気が見られるかもしれない笑。まぁそんな事はないだろうが、ここは鉄板のクレイジーエディがいるので心配はしていない。

 

ハーランドへの縦ポンや裏一発は大きな武器となるはずなので、エデルソンのフィードが輝く瞬間を多く見られるかもしれない。

 

 

第2部 イシュー

 

2-1 新入生紹介

 

①ハーランド

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ノルウェーの巨人にして支配層最終生産者候補のハーランド、一体どういう選手なのか、ドルトムント時代の2年半を見ていくことにしよう。

 

ブンデスリーガでの成績を見ると

 

21/22 1915min 22G7A

20/21 2410min 27G6A

19/20 1066min 13G2A

 

19/20の冬に加入してからコンスタントにゴールを挙げていることが分かり、その得点率も20/21の89.25min/Gというハイアベレージから21/22は87.04min/Gと向上が見られる。そしてこの向上こそがハーランドの最大の強みと自分は考えている。

 

リーグ戦での62G全てを何度もチェックすると、裏抜けが4割、ロークロス爆撃が3割という形で、相手SBとSBの間、もしくは相手CBとSBの間を走り抜ける、いわゆるゲートを抜け出してのゴールが多く、ボールを引き込み、ゲートを見つけて走り込み左足で強烈なシュートを見舞うのが十八番だ。

 

ゴールは左足49右足8ヘッド5という左足を使うケースが多く、高身長の割にはハイクロスを得点変換することは少なく、スペースへのボールにゲートを通り抜けて到達する。先天的フィジカルを活かすよりも予測を活かして走り込む選手である。

 

左足への依存度、スペースを求めがち、という部分は目に付くが、ハーランドはそれを克服しようとしている感もあり、左足ゴール率は88%から72%に昨季は減らし、ヘッドも前年度よりも2つ増えているため自身もそのことは理解しているのだろう。相手CBが待ち構えていてもフィジカルで競りハイクロスを得点変換出来る選手になれるかが次のステージに行けるかどうかを左右するはずだ。

 

同じ時代の支配層最終生産者のレバンドフスキと比べられることが多いが、潰しが利き多様な生産パターンを持っていながらも必殺のハイクロス爆撃を有していたレバとは異なりハーラは裏抜けを得意としながらも多様性を獲得している途中と言えよう。

 

シティ初年度では、まずデブ神やチャンスメイカーのスペースへのパスにゲートを破って到達し左足を振り抜く得意技を磨きながら多様性を身につけて欲しい。

 

最終到達点として望むのは

 

相手が4バックだった時は自軍WGがSBを引っ張りゲートを作り、そのゲートにハーランドが飛び込み最終生産する形

 

加えて相手が5バックだった時は自軍WGからのハイクロスを最終生産する形

 

この両立を目指して欲しい。

 

ゲートが閉じている時、何が出来るか、おそらくそこはペップの指導や、その狭いスペースでも通せるほどのシティコアメンバーの精度で解決していけるか。そしてWGの質だろう。WGには相手のゲートの幅を調整出来る器用さが求められる。その意味でもフォーデンは必須になるだろうし、アルバレスもUTとして貢献が求められるはずだ。

 

めっちゃ体のデカいヴァーディのような選手が今の印象で、ここからどこまで上積が出来るか支配層になる時間をゆっくり楽しみたい。何度も言うが、最大の武器はフィジカルではなく、苦手分野を認識しながらも学習し向上するインテリジェンスにあるので、シティでの研鑽の日々が実る日の到来を待つ。

 

アルバレス

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そしてハーランドのインパクトには負けるかもしれないが、アルゼンチンの至宝にしてリーベルの蜘蛛男アルバレスアルゼンチンリーグという事もあり、コア選手になってから日も浅いために21年シーズンだけの数値しか定量的に信頼できるだけのサンプル数はないのだが

 

21年 1584min 18G6A 

 

右足12左足5ヘッド1となっており、66%程度の右足依存なのでハーランドに比べると利き足依存度は低い、ただそれは絶対的な生産パターンがないとも言える。ヒートマップを見るに、右方向に位置するクセがあるようで、チャンスメーカーでゴール”も”あげるというのが実態なのかもしれない。

 

下がってきての左右へのパス配球、加えて右方向に流れての同足シュートやチャンスメークが武器の選手でロングシュートやボックスに入ってのシュート、裏抜けといった部分でも苦手な部分は少なく多様なプレーを見せている。

 

アグエロに似ていると言われるそうだが、どちらかと言うとフィルミーノのようなチャンスメーク型FWに近く、重心の低いドリブルと本人の国籍と所属クラブの関係で比較されるかもしれないが、ほぼ似ていないと自分は感じた。

 

シティではまず生活とリーグ強度に慣れ、RWGでのプレーで多様性を見せ、そしてハーラ離脱時は9番として生産してくれたらと思う。目指すべきはミュラー、ディバラ、グリーズマンのような選手になろうかと思う。

 

③フィリップス

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フェルナンジーニョの退団に伴い補強された4番でありビエルサの教え子、ヨークシャーのピルロことKP。ベル退団に備える意味でも良い補強と言えるはずだ。

 

マルセロビエルサという狂人は皆さんご存じだろうか?LVGの率いたマイティアヤックスの研究から独自の理論を構築し、その理論の実践により様々なチームで驚きをもたらしてきた。

 

ビエルサのサッカーは再現性のサッカーであり、当人が語るように125パターンのフットボールにおける場面を切り取り細分化し、ケーススタディとして最適挙動をドリル形式で選手に叩き込み、守備ではマンツーで責任の所在を明確にし、そして緻密に作り込まれた運動量溢れながらも華麗に再現性を持って相手を破壊し尽くすフットボールは一度固まれば、メガクラブさえ食ってしまうスペクタルを見せる。そこに少なくないヲタクは惹かれるわけだ。

 

そんなビエルササッカーにおいて頻出するのが

 

”ポジション下げ”

 

これはペップにも受け継がれているのだが、例えばビエルサは当時潰し屋だったボランチマスチェラーノをCBで起用しており、ビルバオでも4番だったハビ・マルティネスはCBで使われていた。

 

ビエルサがよく使う343はサイドに3枚を並べ強烈なサイド攻撃をデコイにしながら中央でのコンビネーションも織り交ぜる。サイドに多くの人数を割くために、中央は求める再現性の要求に応えるために当該ポジションの選手の類型の技術要求を大きく超えたものが発生する。

 

そこでビエルサはポジションを下げて使う事を好む。IHを4番に、4番を3番に、といった具合にしてポジションを下げる。そうしてブレイクする選手も少なくない。この背骨の安定感と再現性を担保する技術力は絶対なのだろう。

 

リーズで4番に使われたのがフィリップスだった。運動量豊富に様々なところに顔を出すMFだったKPをロングパスの精度に目をつけ、より深い位置で起用した。しかしビダルのようなファイターからアロンソのようなクォーターバック変容をビエルサはしたのではない

 

思い出して欲しいのは20/21シーズン前半のMCIとの試合。フィリップスは4番としてボールを配球する。当然シティはこの配球場所を潰す事を第一に考えるが、その時、IHとのポジション交換やSB位置に降りてのクロースロールで対応していた、しかしこれはただの変位ではない、フィリップスはIH、RB、CB、DMFをこなせるUTである。その位置に変位しても本職として振る舞えるというコアUTであり、これはペップシティが使うコアUTポジショナルそのものだ。

 

ビエルサ魔改造により、中央を広くカバーする元々の良さ、インターセプトやタックルに積極的な部分もそのままにリーズの前線5枚と後方5枚の前後分断サッカーにおける最適4番として仕上げ、そこにUT性を活かした柔軟なビルドアップを可能にする英国の宝石へとフィリップスを仕立て上げたのだ。

 

このコアUT選手がコアUT大好きおじさんペップと合わないわけはないだろう。様々な起用が考えられる。不安は怪我であろう。昨季は出場時間も多くなかったので慎重な運用によって英国のコアUTがシティで輝くのを楽しみにしたい。

 

2-2 チキった10M

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①唯一の欠落、LB

 

アルバレス加入を楽しみに、ハーランド獲得で踊り、KP獲得に胸を躍らせ、残された最後のピースであるLBの獲得候補としてククレジャが取り沙汰され2度にわたる正式オファーが提出されたが最終的にはCHEに掻っ攫われることとなった。

 

最大の争点は移籍金の要求額との差額を埋めきれなかったことで4000万£以上は出せないとしたシティに対し相手方は5000万£を要求、この差額に対し、シティは頑として要求額を満了する意思を見せずに物別れ、要求額を払ったCHEが獲得した。

 

シティは、これまでもマグワイア、ケインに対しても自分達の決めた入札限界価格を引き上げることはしなかった。健全と言えばそれまでだが、金満クラブとは思えないようなムーブであり、サポーターの中でも意見が分かれるところである。しかし我々は知っている、マグワイアとケインを取り逃がした後に到来した選手を、ルベンとハーランドである。

 

おそらく、DFコアの形成としてLBに守備型を使うのではなく、LCBにグヴァルディオルを獲得するつもりなのでは、と見られている。ククレジャに文句はないが、評価としてペップを含めた上層部は金銭投下は見送る決断をしたのであろう。そしてMFである。デ・ブライネも中堅後半で、ギュンは契約終了年、ベルは移籍願望、とMFの再編成は急務と言える、その中でベリンガムもターゲットなのかもしれない。

 

いずれにせよ、シティのLBがコアレベルの補強なしに終わった代償はどこまで高くつくかは今季の一大イシューとなる。カンセロほど技術もなくアケほど守れるわけでもないジンチェンコの放出にも寛容だったのは、いたとしても必要なパーツではないからなのだろう。

 

純正LBの存在はグリーリッシュを輝かせ、大一番、特にCL優勝の可能性を上げるものとなるがシティとしてはラストピースとしてククレジャよりも魅力的な選手を来季オフに狙うつもりなのだろう。そこでチームを完成させる予定なのかもしれない。

 

出し渋った10Mの重みを感じないような運用が求められる。

 

②グヴァルディオル

 

来季の獲得が噂されているグヴァルディオルにも触れておく。RBライプツィヒ所属のDFの選手で、左利きだが左右両方でのフィードが可能で、最大の魅力は飛び出して潰す対人能力の高さであり、シティOBだとオタメンディが近いかもしれない。ただオタメンディよりも技術力があり持ち上がってのプレーも得意としているようだ。

 

ただ、この類の選手特有なのがやらかし癖である。飛び出してのプレーは判断を間違えば命取りともなってしまうので相手が強豪になった際のプレー選択が、どの程度出来るのかは今季一年じっくりみたいと思う。

 

理想なのはラポルテよりもやらかさず、アケよりも怪我せず、ストーンズが健康体ならLBとしてプレーし、ストーンズが出られない時はLCBとしてプレーするという具合だ。これが出来る選手を求めたい。

 

そしてグヴァルを獲得したとして23/24シーズンのDF運用としては

 

RSB ウォーカー、(ストーンズ)、(カンセロ)

RCB ルベン、ラポルテ

LCB ストーンズ、(グヴァル)

LSB グヴァル、カンセロ、ゴメス、エスブランド

 

といった形が想定される。

 

今季一年の挙動にもよるが、おそらくアケは放出が濃厚で、エスブランドとゴメスも競争に負けた方はレンタル放出で換金要員と化すはずだ。ラポルテはRCBでもプレーしており、来季のグヴァル到来を見越している可能性もある。

 

大事なのはストーンズの体を守り抜くことと、カンセロを大一番でプレーさせなくて済むような運用が出来るかどうかである。

 

来オフはチキらない金満らしい夏を期待したい。

 

 

2-3 戦術面

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①ホールドープ

 

偽9番メッシ。ペップが作り出した最高傑作だ。この起用法自体は古典アーカイブに眠っていてローマでもトッティが偽9番としてプレーしていた。しかしペップの狙いは偽9のリバイバルをやったわけではなく、コアUTであるメッシを9番に起用した事に意味があった

 

メッシはドリブルで交わせるために10番位置に下がっても相手CBは飛び込みづらく、更に味方WGに裏抜けが得意なタイプを設置することで相手4バックの4人はWG2枚に釘付けにされ、特にCBは存在しないCFをマークする羽目になる。この-2を活かしてピッチ上に無数の数的優位と位置的優位を形成することで試合を支配したのがペップバルサだった。

 

半導体の中で、電子がエネルギー帯を移動すると、元のいたエネルギー帯には電子のいないスカスカの状態が生まれる。電子は負の電荷をもつ粒子であり、この電子がいない状態というのは、負の電荷を持つ粒子の欠落つまり正の電荷を持つ粒子で詰まっていると見ることができ、この仮想の粒子をホール(正孔)と呼ぶ。

 

ペップは偽〇〇と呼ばれるものをいくつも披露してきた。しかし、それらはペップによるホールドープと見て取れる。そこから選手を消す(移動させる)ことで、そこに偽選手を出現させ、その偽選手をマークさせることで、ピッチ上のどこかで優位性を獲得する。

 

偽9番は架空の9番を相手CBにマークさせ、偽SBは架空のSBを相手WGにマークさせ、付いて来れば相手はバランスを大きく崩す。大きくバランスを壊してまでマークにつくべきかの逡巡の間にボールは前進していく。このドープされたホールを利用した秩序を崩すゲームチェンジこそがペップが長らく欧州戦線の中心にいる理由だと自分は見ている。

 

ペップがプレミアに到来したことで、相手は嫌でも5レーンを意識した守備を構築するようになり3バックも見慣れるようになってきた。そこに対してペップはホールではなく、電子ドープ戦略としてカンセロロールを用いたが、彼の本懐であるホールドープも昨季は見られた。

 

ペップは5レーンを捨てたのではないか?

 

昨季のシティは442を使うことが増えた。5レーンに4枚を並べ、意図的にどこかのレーンからホールを生み出す。その-1をうまく使うということにチャレンジしているのでは、と自分は見ていて、メッシの時のように2WGで4バックをピン留めした時のように5バックに対しては3枚のアタッカーによるピン留めで−2を形成するというプランがあるのかもしれない

 

5レーンアタックへの興味が減退しておりバルサ時代のホールドープの応用を考えているのか。2323ダブル偽SBはカウンターチームには厳しく41ビルドで回避するのが昨季だった。しかし今季は2323を強豪相手でも臆せずぶつける算段なのかもしれない。CBからの楔をSBが受けてボールを運搬しながら、相手ボールになってもIH裏にダブルSBの壁を築き即時回収しペップの願望であるずっと俺のターン”を可能にするか。

 

この2323のリスクヘッジとして4231も準備しており、そのための4レーン戦略なのかもしれない。いずれにせよ、何か面白い事を見せてくれそうでワクワクしている。

 

②第3の時代

 

アグエロロークロス爆撃時代

ゼロトップリキッドフル時代

そして第3の時代はハーランドWW時代なのかもしれない。

 

ハーランドの得意技は前述したように、ゲートを抜けてのロークロス爆撃と裏抜けだ。そしてこの2つはシティが6年間やってきたことでペップシティの基本戦略の変更はないと思われる。やることはいつも通りサイドを深く抉っての折り返し、中央からのゲート破り、ポケット侵入といったことばかりだ。

 

恐らくハーランドの主武器がゲート破りにあることは相手チームは早々に気づくはずだ。だからこそ敵軍はゲートを狭める、つまり横幅に選手を増やす事を第1に考えるだろう。つまりは5枚を並べ人と人の間の距離を狭めハーランドの侵入を潰しに来るはずだ。シティとしてはこれが本当の狙いなのではないか。ハーランド起用で相手はゲートを狭くし余った選手もプレスにこようとしようものなら、突撃守備者によるゲートの開きを見逃さずにデブ神からゲート破りのスルーパスが出てハーランドが決める。相手3バックをハーランド一人でピン留めさせられないか、考えているはずだ。

 

そうすれば前述したように-2が生まれ中央での数的優位が生まれる。バルサではメッシが降りてきたが、ハーランドは降りずに、その中央にはSBが2人やってきて優位性を固める。

 

これが狙いなのでは、と見ている。

 

ハーランドのゲート破り能力を利用した5バックピン留めホールドープスキームこそが第3の時代のペップシティの基本形態になるかもしれない。

 

前半戦はハーランドのゲート破りと裏突きで恐怖を与え、相手を低い位置に縛り上げる。これは昨季もやっていたが、ハーランドでは訳が違う。完結性が向上しカウンター発生率も下がるのでリスクは軽減される。ダブル偽SBシステムの被カウンターリスクよりもハーランドによる5バック金縛りが機能するはずだ。

 

前年までのカンセロロールも含めて様々な取り組みは継続するだろうが、ハーランドを投入したメリットとしてバルサ時代の偽9番の本質であったホールドープ、そしてバイエルン時代の偽SBの両立を果たすのではないか、と自分は予想している。

 

③ゼロペップ時代

 

ペップ政権は終焉に向かっている。それは誰もが感じているはずだ。チームを前進させられなければ職を辞すと明言しているペップにとってシティの完成度と熟成度は限界へと近づいていると言える。

 

ポストペップも考慮に入れながらチーム作りを進めているように見える。これまでもそうだったように支配層最終生産者と使い方マニュアルを置いての辞任はハーランド加入で近づいているし、更にシステムに関しても、より汎用性のあるものへとなっている。

 

デブ神の後継として同様の選手ではなく10番でもSTでもどちらでも良いようにデブ神のプレースタイルを変更させており、ベル退団にも備えてフィリップスとロドリの2ボラも試しておくはずだ。ペップがいなくなっても4231でデブ神とハーランドのコンビによる高速カウンター型チームとしての素朴な運用も可能になっていくはずだ。

 

ペップはずっとW杯を戦いたいと明言してきた。今年はW杯イヤーであり各国の代表チームの結果に伴い、もしかしたら空位状況を見ながら将来を見極めたいからこそ契約延長を保留しているのかもしれない。

 

ただ、ペップを見続けてきたものとして、彼が代表監督として成功するか疑問はある。質的な要求が高いサッカーを具現化するのにクラブは補強できるが代表は異なる。更に最終生産者も国籍の縛りがあるためシティのようにゼロトップを強要されるかもしれない。

 

その中で理想のチームはイングランドだと自分は見ている。ケインがいて、若手も育ってきているし、何よりイングランドのクラブで7年間過ごした経験は信頼のあるものと受け止められるはずだ。個人的にはシティでLBいないよーと頭抱えながら新規性のある発案をし続ける彼を見続けたいものだが笑。

 

デブ神の後継を含めた中盤の再編成、DFコアの見直し、レンタル組の処遇、こういった部分にケリがつけば退団は組織としては問題なく実施できるはず。

 

問題は後任監督だ。バルサバイエルン両方でペップの最終生産構造の遺産を引き継ぎ3冠を達成したのがエンリケとフリックだった、両名に共通するのは、当該国と当該リーグへの理解があり、一定の指導経験もあることだ。

 

ペップらしさを求めるならナーゲルスマンだろうが、個人的にはプレミア経験があり指導者としてのキャリアも豊富で保守的にチームを運営出来る人物としてマンチーニポチェッティーノを推薦したい。両名共にMCI、TOTでの指導経験もありプレミアリーグを知りながら海外での経験もあり期待出来る。革命家の次に必要なタイプなのではないかと考える。アルテタ、ヴィエラ、コンパニは、まだ早い。ペップ革命から保守的にリフォームして、そこからの新時代を託す時に考えるべきだろう。

 

何はともあれ、ペップがシティを辞めて保守的なサッカーが続くと自分はシティズンでいられるのか、それも分からない。自分はバルサバイエルンのサポーターにはなりきれなかったしペップチームの定点観測者なのかもしれない。

 

仮にペップがミランにでも行こうものなら、シティのことについて熱心に語っていたアカウントがいきなりForza Milan!!!とか言い出すわけで、それなりに炎上しそうで怖い笑。未来は分からない。そんな不可測な世界で無秩序だった秩序を形成する変態指揮官の未来に期待する。

 

 

最後に

 

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マジックマジャール、1950年代に4年間無敗を誇ったハンガリー代表。その異名の由来はシステムにある。3232の布陣は上空から見るとMの字が2つ縦に並んでいるように見える。そこから頭文字を取って 

 

Magical Magyars

 

と名付けられた。この覇権チームは、とある男が種をまいたことで始まった。ジミーホーガンである。マンチェスター生まれのジミーは英国由来のダイレクトフットボールよりもテクニカルフットボールを志向し、この思想をオランダ、オーストリアハンガリーに伝えた。

 

1930年代のオーストリア代表、ヴンダーチーム

1950年代のハンガリー代表、マジックマジャール

1970年代のミケルスのアヤックス

 

の成立に寄与したジミーはアヤックスのCL3連覇を見届けるように深い眠りについた。その当時のアヤックスのエースが偽9番クライフ、そんなクライフはバルサでジミーのトータル思想を伝承し、その種まきは2度の”エルドリーム”をもたらした。

 

2度目のエルドリームの監督ペップはメッシという最終生産者と別れを告げジミーのように宣教の旅に出かけた。そしてジミーの出身地マンチェスターへと降り立った。そして行き着いたのが変幻自在のUT5レーンアタック+偽SBダブルだ。

 

それはシステムにすると2323、上空から見ると2つのWが見て取れるはずだ。自分はペップシティの、この最終形態をマジックマジャールに倣って頭文字から

 

Wonder Wallと呼んでいる。

 

マンチェスターシティの大ファンとして知られる著名人ギャラガー兄弟のバンドOasisの楽曲にちなんだネーミングだ。

 

このWonder Wallとは、どういう意味なのだろう?

 

有名な楽曲なので、様々な翻訳が与えられているがノエル自身は、架空の友人に向けて書いたと言ってみたり、当時の妻に対して捧げたと言ってみたりしており、和訳も考えるのが嫌になったのか、ワンダーウォールと翻訳を投げている事もしばしば見かける笑。

 

I said maybe

 

多分言ったとは思うんだけど

 

You're gonna be the one that saves me

 

君が僕を救ってくれるのかもしれないって

 

And after all

 

とどのつまり

 

You're my wonderwall

 

君が僕にとってのワンダーウォールなんだ。

 

 

ペップはずっとメッシ、レバに連なる支配層生産者に苦しみペップシティにとって覇権へと導くラストピースが分からず苦しんできた、まるでwonderwallの訳語を思いつかず苦しむように、そして、その答えがハーランドだと信じて戦っていく、そんなシーズンに付合した歌詞だと感じる。

 

wonderwallとは一体なんなのだろうか?

 

その答えがハーランドであると自分は信じたい。

 

ペップは支配層最終生産者と、その生産性を最大化するスキームを残してきた。

 

バイタルエリアでメッシの前を向かせるための裏攻めと外攻めの設定

レバミュラに目がけてハイクロス爆撃のスキーム

 

この2つはペップが去ってから

 

エンリケの3冠MSNバルサ

フリックの3冠バイエルン

を産んだ。

 

もしかしたらハーランドも同様に最適生産過程のメソッドを残しシティもペップが去ってから3冠を成し遂げるかもしれない。トータルの種をまき偉大な3チームを産んだジミーのように偉大な最終生産者の活用メソッドを残し偉大な3チームをペップが残したとすれば、それはそれで面白い。出来ればペップ政権での大耳制覇を見てみたいが。

 

シティにとってのWonderwall(ラストピース)であるハーランドの到来でついにペップの望む最高の終幕に向けて走り出す今季。本当のWonderwallは左サイドバックだった、というオチもあるやもしれないと心配している。そうなってくるとますますメンディを恨んでしまいそう笑、まぁ彼もある意味壁に囲まれた場所にいるわけだが笑。

 

wonderwallを手に入れたと信じ、今季こそ7度目の正直で大耳制覇を祈っている。ペップが率いる最後のフルシーズンのクラブチームになるかもしれない覚悟で応援したい。

 

C'mon CITY!!!!!!!