牽牛星のよろず日記

自分の興味あることを思うがまま記述したいと思います。

どうするペップ(22/23前期ペップシティ選手名鑑風)

中東での季節外れのムンディアルの熱狂は極東の我々も直に感じることが出来、寝不足になりながらも多くのフットボール愛好家にとってクラブシーンを少し忘れる事の出来る貴重なブレイク期間となった事だろう。

 

今回は今季22/23シーズンのペップシティについて丁度良い機会なのでつらつらと話すことにする。普段マンチェスターシティを熱心に追っていない方にとって現状のマンチェスターシティに関して、定点観測者である自分の文章が理解を補助するものとなれば幸いである。

 

ペップ政権始まって最もミニマムになったスカッド。その構成員を紹介しながら今季のペップシティのイシューを書き連ねることにする。

 

            (fig0) 新監督による布陣の説明

 

 

 

 

2 ウォーカー

[http://Embed from Getty Images :title]

NPBの花形ポジション、遊撃手は類稀なる運動神経と第2の捕手のような司令塔的立ち回りに加え多くの負荷を要する。そんなショートでスターとなった野村謙二郎宮本慎也鳥谷敬は30代中盤になると加齢が隠せずコンバートする形で”延命”を図り2000本安打を達成し球史に名を刻んだ。

 

サッカー界で似た挙動を見ることが出来るポジションがSBである。文字通りサイドのバックすなわちピッチ外側後方を根城とする選手を指すが、現代のSBにそんな選手はいない。60年代のアズーリファケッティが進撃する前方遷移SBの描像を示し、80年代のセレソンのラテラルだったジュニオールがMF転移性を見せた。その結果SBとは名ばかりで、まさに”遊撃手”とも言うべき重労働を担う多様性溢れるポジションとなっている。

 

2010年代の英国を代表するSBの1人がカイル・ウォーカーだろう。トッテナムのRBとして印象的な活躍をした後に17/18シーズンから同国のコンテンダークラブのペップシティへ移籍し現在に至るまで確固たる評価を確立した名SBである。

 

TOT時代にレンタル生活を終えスタメンに定着した11/12シーズンからの6年を見よう。

 

11/12(21才)  3231min(リーグ) 4029min(全体)

12/13(22才) 3161min(リーグ) 4290min(全体)

13/14(23才) 2298min(リーグ)  2961min(全体)

14/15(24才) 1307min(リーグ) 1758min(全体)

15/16(25才) 2943min(リーグ)   3123min(全体)

16/17(26才) 2704min(リーグ) 3176min(全体)

 

この6年間でリーグで見ると3000min出場と言う鉄人ラインを2度超え13-15の2年間は体調が優れなかったが、概ねイニングイートに問題はないように見える。そしてプレースタイルに関してだが

      (fig1)ウォーカーのヒートマップ 左15/16右16/17

 

上図のfig1を見て分かる通り右端のライン側をアップダウンしていることがよく分かる。そして27才という年齢と2年の停滞を経た経験から、彼はコンバートを決意する。しかし配置を変えることはなく、内実的な意味でのコンバートだった。

 

       (fig2)ウォーカーのヒートマップ 左17/18右18/19

 

     (fig3)ウォーカーのヒートマップ 左19/20右20/21

 

    (fig4)ウォーカーのヒートマップ 左21/22右22/23


スパーズ時代末期のfig1とシティ移籍後のfig2~fig4を見比べてもらうと分かる通り線形的に縦に広がっていた挙動は消え去りセンターサークルへ侵食しようかという程に横方向への挙動が顕著に現れている。

 

チャンスクリエイト数、ドリブル成功率 タックル成功率の順に眺めると

16/17(TOT) 39 35/65 51/72

17/18(MCI) 30 26/38 31/47

18/19(MCI) 24 18/40 26/40

19/20(MCI) 18 23/31 18/28

20/21(MCI)  8  24/41 19/29

 

TOT最終年からドリブル自体を挑まなくなっておりタックルの数も減り肉体的接触を減らし急加速するシーンが限定化されていることやチャンスクリエイトが減っているため、より後方での”脇役”での立ち位置が増えたと考えられる。アップダウンするSBからシティではSBという仮面をつけた事実上の3バックの右HVとなった

次にシティ時代の耐久面を見ていこう。

17/18(27才)  2787min(リーグ)  3782min(全体)

18/19(28才) 2777min(リーグ)  4272min(全体)

19/20(29才) 2397min(リーグ)  3426min(全体)

20/21(30才)    1946min(リーグ)  3457min(全体)

21/22(31才)  1756min(リーグ)   2739min(全体)

 

現状では緩やかにではあるがイニングが食いづらくなってることは否めない。しかしながらこれでも頑張っている方と言えよう。18/19シーズンは全体では4000min超えを果たしており20/21シーズンまでは支配層RBとして素晴らしい活躍を見せていると言える。

 

チームとしてはウォーカーに対しては2年毎に課題を与えているように見える。

 

初期2年はRHVへのコンバートと縦方向の挙動の抑制と横方向への挙動の装備

 

次の2年はIHの補助も踏まえてカンセロロールのような前方への貢献も求め

 

直近2年は偽SBとRHVの兼任という到達点を求めている。

 

選手寿命を伸ばす意味でもペナ角とペナ角の間の縦の距離の中で横方向との連携で肉体への負荷を下げる。そしてTOT時代には報われなかったタイトルにも恵まれた。だがそこに加えて縦方向の挙動も求められ始めたことに加えて30歳の大台に乗ったことから20/21シーズンには衰えが隠せなくなってきている。

 

RBとしてのウォーカーはピークアウトした、と見て良い。

 

22/23(32才) 563min(リーグ) 653min(全体)

 

シーズン途中とは言え、今季の耐久力を見るに厳しいものを感じる。ラモスやアラバがCBにコンバートしていったようにウォーカーは残りのキャリアはCBとして本格コンバートさせるべきかもしれない。決戦時にはRBで出場し、主にCBで寿命を伸ばす。こういったことも提案できようかと思う。もう彼に残された余命は少ないかもしれないが。

 

3 ルベン

[http://Embed from Getty Images :title]

今季で移籍3年目を迎える事実上の主将CBは過大評価との声が上がっている。正直それは仕方ないと思う。それはルベンディアスという選手にペップらしさを感じないからだ。というより普通に良いCBなのである。ペップチームの選手というと、当該ポジションの描像を大きく覆す挙動を見せる(そのことが評価を歪めもするのだが)。

 

統率力によって安定をもたらせる存在として、チームに加入しストーンズを復活させウォーカーも加えた後方はカンセロという”遊び”をチームに許容させた。風前の灯だったペップ政権の再建はこの男抜きにはあり得なかった。そういうストーリ抜きに1人のCBとして見た時、ルベンとはどんな選手なのか、今回はそういうアングルのお話である。

 

プレミアリーグという舞台で戦う支配層CB、と聞くとファンダイクが思い起こされる。ダイクも最近は色々言われているが実際どうなのだろうか。

 

シーズン 出場時間(リーグでの出場時間) タックル成功率

の順で見てみると

18/19 4555min(3385min) 28/38

19/20 4410min(3420min) 12/23

20/21 568min(371min)   2/3

21/22 4591min(3060min) 10/16

 

20/21は怪我でほとんど出られていないが、18/19と19/20をみると、そりゃ壊れるやろという恐ろしい出場時間であり、国内カップを捨てる戦略をクロップがとってこれなのでいかにLIVの最終防衛ラインにおいて必須の選手かがよく分かる。そして大怪我から帰ってきても当たり前のように4000min出場するという鬼ハードモード。

 

タックル数は年々減少傾向にあるものの、そもそものチームのコンセプトとしてチアゴを入れて引いた相手を崩す、という方向性に動き始めたことも起因しているのか、上のパラメタを見ている限りにおいてタックル数は減ってはいるものの、依然として支配層CBと言えるだろうし、そもそもLIVの選手はサラーもそうなのだが極めて頑丈なのである。

 

同様にルベンを見ていくと

 

20/21 4603min(2845min) 13/24

21/22 3262min(2403min) 19/26

 

20/21の大車輪の4000min超え出場、そして翌シーズンに怪我で離脱、そうですよね、普通人間は4000なんて無理ですよね笑。タックル数や成功率もダイクとそこまで差は開いておらず支配層と遜色ないなら十分優秀なのでは?というポジティブトランジションしてしまうのであるが。

 

ルベンはダイクを見る限り、全体では3000min中盤、リーグでは2000min中盤くらいに抑えないと壊れてしまうかもしれないので気をつけて運用してもらいたいところだ。

 

コンパニみたいに飛び出して潰すという偽9番許さないマンのような派手さはないもののシティに必要な絶対軸で、相方がフィジカル的に無理のきくタイプだとより輝く。こういうタイプだと単体で見た時はやはり物足りなさが映ってしまうのかもしれない。

 

4 フィリップス

[http://Embed from Getty Images :title]

 

ここまでのハイライトは

 

           (fig5)仮面を被ってイキイキする背番号4

 

企画でチームメイトを恐怖ビジュアルで驚かせるという乃木坂工事中の堀未央奈ロール

 

       (fig6) 堀未央奈の全盛期

 

出てない選手にあれこれ言うのは難しい。かと言って当たり障りのない文章を書き並べるのもケタクソ悪いので、ここでは少し思い出話も含めて今後のペップシティについて書き続けることとしよう。

 

ペップバルサと言えばメッシにバイタルでボールを持たせて前を向かせるチーム。ペップバイエルンと言えばレバミュラにクロス爆撃を供給し続けるチームだった。では、ペップシティとはどんなチームなのだろうか?

 

それはロークロス爆撃集団である。それは初年度から今に至るまで徹底されている。そしてまともなLBがいない。それも初年度から徹底されている(どっかの性犯罪者のせいで)。つまりペップシティとは左後方のリスクを上回るほどのベネフィットをもたらせる最終生産過程の構築を目指したチームと言えよう。

 

バルサではバイタル、バイエルンではサイド、そこへひたすらにボールを運搬し続ける再現性の高さが売りのチームだった。シティでの供給先はハーフスペース。しかし、そこでプレーするデ・ブライネとシルバの得点力はアグエロには遠く及ばない。ではそこに得点能力のあるIHを置くとどうなるか、その答えが最終到達点に思える。

 

ロークロス爆撃の的アグエロ/ハーランドの後方に得点能力の高いIHとしてフォーデンとアルバレスを置く配置。これが初年度の青写真の具現体となるだろう。さらに、最終生産を少数で完遂させられるならば後方に人数を割いて問題ない。4年目の後方の強度不足から来る消極的4レーンアタックではない。前方は4枚、ハーランド、デブ神、フォーデン、アルバレスの4人で攻撃を完遂し、後方に6枚を割くことが可能となる。

 

ペップバイエルンのような後方の4+2、その2ボランチをフィリップスとロドリで構成するのではないかと予想する。そして最後方の4バックに攻撃はいらない。前だけで十分に攻撃が完了するのだから。そうなると4人のCBを並べる構成となるのではないか。ストーンズ、ルベン、アカンジ、アケの4人か。将来的にはアケのところにグヴァルディオルを招く可能性もあるだろうが。

 

何にせよ、LBの穴を塞げる攻撃ユニットの構築とLBのレベルの向上の2つがペップシティの長期的な目標となってきた。端的に言うならば

 

格下虐殺特化型のスターリングに依存しない最終生産過程の確立

守備では穴にしかならないカンセロに依存しないLBの獲得

 

前者がクリアされかけている今季、後者に手をかけて完成形を作り出す。その猶予は幸か不幸か2年延長された。サイクル3のハーランド時代の集大成を24/25シーズンに完成させるのか、それとも今季に一気に完成させるつもりなのか。

 

昨季から始まった4レーン攻撃、SB両ボランチ化の2323、今季に見せ始めている間延びからの少数精鋭生産体制、今季は未だに手筋を見せ切っていないところもあるのだが、そのためにもフィリップスの復帰に期待したい。

 

 

5 ストーンズ

[http://Embed from Getty Images :title]

健康なら屈指の支配層CBの1人であり、無理のきくフィジカルとルベンとの相性、何より国産コアとして最高のCBである。しかし、引退するまでずっと”健康なら”という接頭語がついて回るだろうことも事実であり、代表が絡むと耐久力は限界に達するのか、高確率で離脱を繰り返してしまう。

 

昨季にはRBに挑戦し幅を広げたり、かつては中盤でもプレーしておりUTの人というのも言い過ぎではないのかなと思うが、やはり課題は耐久力と言えよう。

 

総出場時間(リーグ出場時間)を表記すると

16/17 3170min(2013min)

17/18 2205min(1305min)

2018W杯 586min

18/19 2821min(1762min)

ネーションズ18/19 360min

19/20 1555min(1119min)

2020EURO 619min

20/21 2863min(1934min)

21/22 2249min(1118min)

2022W杯 437min

 

今季はシーズン途中のW杯という前例のないシーズンであるとはいえ、もう、どっかで絶対数ヶ月は離脱するなぁという諦念が胸に去来する次第である。

 

大型契約でコアとして扱う前提で囲ってしまったいるのだが、出来ればUTとしてベンチに置きながら大一番ではスタメンCBとしてルベンと共に栄光に導いてもらいたいところで、RBでの起用も負担は軽くはないはずなのでアカンジが来てくれたのはとても大きいはずだ。

 

今季はリーグで2500min程度のイニングイートで大一番では先発させ、使う時には先発投手のようにインタバールを設定するといった配慮は必要。上手く運用出来ると本当に素晴らしい選手なのだが。。

 

6 アケ

[http://Embed from Getty Images :title]

明確な新規性を見せない(敢えてか?)今季において鍵を握る重要人物の1人がアケだと個人的には考える。LBとLCBの両方でプレー出来るUT性と対人守備は使いどろこさえ間違えなければシティの残りシーズンでの武器となれるはずだ。

 

昨季にジェズスが、もしシティに純正9番がいたら、という仮想実験を可能にしたように、守備型LBがシティにいたらという仮想実験をもたらすかもしれない。

 

3バックのLHVもこなせるため、やはりオフはラポルテを放出してグヴァルディオルを取れたら最高ではある。ベンチに置いとければ良いのだが、昨季は出ていきかけたのでどうなるかは不透明である。シティの中でサラーとのデュエルに勝てるのは大きいし、タイプ的にはグヴァとアケは似てはいるのでアケを出してラポ残しになるチーム判断もあるか。

 

勝負所のLBで守備で貢献しながら、格下相手の時はCBの保険として機能してもらえるとありがたいのだが、耐久面も実はひっそりと良くないので、そこらへん考えるとマフレズと同様に勝負所に力をためておいてもらえるとありがたい。

 

メンディさんも今季で契約も切れますし、そういう意味でも、あの悲劇を塗り替えるためにもグヴァルディオルに全力で投資して欲しいですね。

 

7 カンセロ

[http://Embed from Getty Images :title]

守備能力の向上を望むのにも疲れた、というのが正直なとこであり個人的にも以前の文章の中で目指すのは守備力を身につけた攻撃的ラテラルではなく、攻撃全振りのベイルでは?と書いたこともあるが、今でもそう思っている。

 

ブスが一生懸命に痩せても、痩せたブスにしかならないのだから。短所の是正よりも長所を伸ばした方が良いのだ。しかしカンセロの1番の問題は守備力というよりも得点能力の低さに思えてならないのだ。これが年間でWGで出場しようもんなら二桁ゴールくらいを上げてくれるなら(どんなSBやねんと思うが笑)、それこそ10/11ベイルのような成績を残してくれるなら十分にアドも取れる上にフォーデンをIHに回せるので最高なのだが、そうは上手くいかない。

 

というかよく考えると、なぜカンセロはLBにいるのか。

 

WGで使うには突破力もなく、SBで使うには守備力が足りない。だいたいこういう中途半端な選手はWBに回すのが通例なのだが、5バックを採用しないチームでは置き場所がないものだがそれでもリスク覚悟で使う。シティのカンセロだと5レーン攻撃の停滞を補助する6人目として、そしてデブ神不在時に後方からファンタジアで崩しを担う目的でベネフィットを産む。

 

IHの絶対軸の不在をIHに代役を置くのではなく、SBにトリッキーファンタジスタを使うことで補おうとする、よく考えると異常な光景ではある。LIVにおけるTAAも似たようなものだ。IHにIH性がないからこそ、IHの要素をSBから注入する。

 

ただ直近2年を見てもトップレベルで使うにはリスクの方が勝つのは事実で、その意味でも将来的にはRBもLBも出来るUT選手としてベンチにいてもらう方が助かる

 

似たようなことを以前も背番号7の選手に言っていた気がするが、これは偶然なのか?

 

愚痴はこの辺にしてペップシティとSBについて話すとしよう。

 

ペップが到来した16/17にSBとして競争力をもたらせる選手はおらず翌季には”フルーツバスケット”となり、ウォーカー、メンディ、ダニーロが獲得された。メンディが想定を上回る耐久力の低さから起用が困難なのとクロス爆撃の重要な同足LWGサネを活かすためにLBに求められたのは偽SB型であり、多くの時間を攻撃に割くシティにとってはMFをSBに置いておいても何の問題もない、というよりボランチ状態の方が多いのだからむしろMFの方が良い。

 

そして、ここから今に至るLBにはMFをRBにはCBを、という要請からペップシティにおいての両ラテラルはRBはウォーカー、LBはデルフと2代目デルフのジンチェンコが起用された。攻撃時は32型へ変容する布陣で英国を制圧するも、同格以上になるとLBの守備能力の低さが露呈し欧州覇権は遠かった。

 

そしてアグエロがピークアウトし、スターリングとジェズスの最終生産者王位問題が浮上するも両名ともに不適格で同人数の5バック相手には仮想5トップは空転し続ける。その解消としてカンセロという飛び道具が用いられ、格下殺しのカンセロ/格上耐久用ジンチェンコで5年目は大耳にあと一歩だったがジンチェンコでは限界だった。

 

そして昨季はカンセロをリスク覚悟でLBで使い、やはりマドリーに狙われ続けまたも大耳を逃すこととなった。最終生産能力が低く左サイドに弱みを抱えるというウィークポイントをカバーするために毎年毎年SBだけは異常な開発の憂き目に遭ってもいるわけだが、

 

RHV、LBのMF化、二段階変異の要請、と欠落を埋める狂気のカタルーニャおじさんグアルディオラの最新作は今季開幕戦で現れた。SBのIH裏のカバーによる鬼ネガトラ大作戦である。今季のシティは2323に再挑戦する可能性は高いが、ネガトラで前で潰すのであれば、そこを抜かれた際の保険として後方の守備力をどう担保するのか、来季以降の構想も考えてのことなのかSBの過重労働は続きそうである。

 

しかし前述したウォーカーの限界問題を考えると4231に最終的には帰着しそうな気がするのである。散々色々なことをSBに求めた挙句結局のところアップダウンするSBの描像が相手にとっては新鮮に映るのも事実だろうし、今季の残りはSBへの要請の度合いに注目したい。

 

8 ギュン

[http://Embed from Getty Images :title]

主力であるデブ神とベルナルドの控えとして潰しのきくスタイルと差別化出来る武器を持ちベンチに座っても文句を言わないMFとしては文句のない、かつてはペップの愛人と批判されてもいたが、出過ぎずペップの意図を理解した立ち振る舞いで家庭(チーム)の輪を乱さないという意味で愛人さながらのムーブをかます残り契約1年の男は今季も変わらず働いている。

 

残り契約1年という事だが、おそらく残留するのではないかと見ている。指導者としてのキャリアに興味がありそうだし、そういう意味でもシティグループにいた方が何かと得るものは大きいはずだ。シティで数年プレーした後はシティグループ傘下のチームで余生を過ごし、そこでコーチ業をスタートさせる、というのが理想に思える。

 

とまぁ、ギュンについてはこの辺にして少しW杯の話でもしようかなと思うのですが、まさかのドイツが日本に敗戦。やはり最終生産者なきポジショナル型は一発勝負に脆いなぁと感じますし、日本と共に勝ち上がったスペインも攻め手を欠いてしまいPKで敗北。

 

PKは運なんかじゃないんだ、だって俺たちは選手にPK1000本蹴る練習をするようにって言ってるからな、というルイスエンリケの完璧なフリからのPK敗北。

 

ただ、個人的には一発勝負はいずれこうなるだろうとは思う。というのもゲームをハックする戦術やスキームが容易に見透かされて攻略され模倣されてしまう昨今、もはや戦術的な優位性を獲得するのは難しく高速後出しジャンケンが延々と繰り返されてしまうので、得点がミス絡みでないと生まれず結果として

 

流れからの得失点は消えてしまう

 

という未来。セットプレーでしか試合が決さないという領域はいつかやってくるのではないか、逆に言えば、それを見越してセットプレーにおける優位性の獲得が次のトレンドになるのかなぁ、そんな事を感じるわけですが、ギュンを下げたフリックの判断は悪手でしたねぇ。最終生産の困難さと支配力のトレードオフを解決するためにフリックがどういうチームを次は作ってくるのか。

 

補強が出来ないナショナルレベルでのペップチームの危険性はこの辺にあって、だからこそペップはクラブレベルでしか無理なのではないのか、と思えてならない。最終生産の理不尽性によってトレードオフを解決する以外の手段は持っていないので、2年の延長は、ある意味では正解なのかもしれない。。

 

 

9 ハーランド

[http://Embed from Getty Images :title]

驚き以外の何者でもなかった。まずシティに到来したこと、毎節のようにハットトリックを果たしたこと、そして一番は耐久力である。

 

lilin18thangel.hatenablog.com

 

21/22 1915min 22G7A

20/21 2410min 27G6A

19/20 1066min 13G2A

 

19/20の冬から加入したドルトムントでの2年半での成績を見るに以前から自分は、左足でのフィニッシュ依存の傾向と耐久力の心配があった。だからこそアルバレスと適宜使い分けながら順応の1年にするだろうと、しかしどうだろうか。

 

13試合 1041min出場 18G3Aである。

 

ハーランドの得意技を見極めて、ハーランド用の最終生産課程を建築するはずの1年が、シティのこれまでの形にすっぽりハマり一切の修正をせずともフィットしてみせた。

 

確かに言われてみれば、得意技がゲート破りという相手DFの間を抜いてボールを受けての左足ドッカンなので、今までのシティがやっていたポケットからの折り返し、ロークロス、裏狙いといった武器に合わないわけはないのである。

 

そして、このゴールラッシュを受けて、メッシとの比較論争も飛び出し始め、スターリングとジェズスのゴール未遂に憎悪の悪魔を胸に巣食っていたシティズンからすると涙そうそうの展開である。

 

ただ、このメッシ比較論は個人的に面白いと感じていて、自分は今季のペップシティを12/13のバルサに近いと思えてならない。配置を整えて殴るよりも、相手の陣形が定まらないような無秩序状態においてセスクとメッシの2人で全てを完結させてしまう方が効率的なのでテンポは早くなりメッシは凄まじい勢いでゴールを積み重ねたシーズンを思い出す。

 

この無秩序の誘惑がチームを崩し始めているのは事実で、あの時のバルサもメッシは酷使されてしまいアレグリのミランに封殺されかけ、セスクは外されてMVPトリオが使われ、そしてあの地獄の記憶バイエルン戦でのナナゼロナを迎えるわけである。

 

こう見るとペップバルサ5年目の仮想実験とも言える今季。4231でバランスを取り直すのか、それともCL用では無秩序アタックを進めるのかペップの判断に注目したい。

 

10 グリーリッシュ

[http://Embed from Getty Images :title]

素人受けしやすいデータの物足りなさから移籍金の無駄遣いと揶揄される悲しげな色男であるが。ゴール、ゴールうるさいと思い、先制点を取って喜んでいたら相手DFに飛び蹴りされるなど前世で何してきたんだという感じである。

 

『THE Athletic』でも昨年取り上げられた通り、アシスト期待値はリーグトップであり、優秀な選手の1人であると評されたし自分もそう思う。グリーリッシュはそもそも主力選手としてというよりはベル離脱のバックアップとデブ神を休ませられてギュンも退団の可能性もあった中でWGにも回せる潰しのきく国産10番ということで獲得されたはずだ。

 

そもそもGAに関しての期待はそこまでなく、IHを軸にWGもボチボチやってくれたらいいなぁという感じで昨季の攻撃陣はコアが欠けることなくフィニッシュ出来たのはグリーリッシュの成果とも言える。

 

チームの得点担当のハーランド、フォーデン、マフレズが左利きなので、どうしてもアングル作りのために右に流れがちで左はボールを納めて落ち着けてから右に展開して刺すのが理想の崩しになっていて、今季はWGは両方を偽化させて大外を突かずにWGは下がりIHが両翼へ大きく動く、これはデブ神の神クロスを使いたいことや、いずれはアルバレスやフォーデンを中央へ移す名目でのテスト運用もある。

 

秩序だった無秩序の構築とUTの完備の幻惑で勝ってきたシティだが、ここにきて無秩序だった崩れた陣形からのカウンターの方がクリティカルなのでボールが早く動くようになってしまい前線でのタメがなくなり緩急が死んでいる。その是正として今季はMFをWGに置いてボールを落ち着けるような采配が見え、それがグリとベルのWG起用に繋がっている。しかし、これが相手に対する仮想5トップとして弱くなってしまっている問題があり、どうしても大外での脆弱性が透けて見える。

 

この方向性を後半も進めるのか、WGとIHの変換を求めていくというならフォーデンとアルバレスを組み込む可能性もあり、さらに、グリがいないときに勝てない問題も、どっちかと言うと前線でのタメがなくなり、ボールが早く動き続けるために守備陣が耐えられずに失点するシーンが増えたように感じる。

 

ハーランドという火力、無秩序陣形という誘惑、これらを抑えるための偽翼。

 

後半どう処していくのかペップの腕の見せ所であろう。

 

14 ラポルテ

[http://Embed from Getty Images :title]

 

怪我明けで欠場が続いている間は、ハーランドがゴールする度に喜びのツイートを繰り返すなどノリノリのおうち時間を過ごしていたフランス人スペイン代表CBは無事にピッチに帰ってきた。ストーンズほどの対人能力はないものの、3番手のCBとしては十二分の選手なので、まぁ今季は怪我明けなんでな、まぁ、そのなんだ、、出場機会は限定しないとな、だって体が資本だもんな論法で3番手を受け入れさせたいところ。

 

とはいえ、息をするように離脱するストーンズがいるので結局はスタメン取ったり!だった昨季と異なるのがアカンジの存在。そつなくルベンの相方をこなしていて今のところはルベンジがベストコンビ。

 

ドライブやフィードの能力はあるものの

 

18/19 3057min

19/20 1104min

20/21 1342min

21/22 2834min

 

とリーグでの出場時間を記録しており昨季は終盤にだいぶ無理をしたので30前の年齢を考えると、そろそろピークアウトの足音も聞こえるところで、早い話が”売り時”なのだ。

 

おそらくアケとラポルテのどちらかは売られるはずだ。そしてグヴァルディオルを獲得したいというのがチームの方針か。選手としてのタイプだけならアケとグヴァは似ているのでラポルテを残留させる可能性はあるが、どっちの方が売り手がつくか、で決まるだろう。

 

”DFのギュン”くらいの立ち位置なら最高なのだが。。

 

16 ロドリ

[http://Embed from Getty Images :title]

 

支配層4番の道を邁進するロドリ。昨季はフェルナンジーニョがトップレベルには程遠く、すき家の深夜バイトの如くワンオペでボランチを切り盛りし、アーセナル戦でクラッチゴールを決めるとグーナーの前へ躍り出てのセレブレーション。大卒とは思えないヤンチャっぷり。

 

そして今季はフィリップスも来るし楽できるかな、と思った矢先に肩の怪我でフィリップスがほぼ全休状態。応援のパートのおばさん来ないなぁと不安がりながらも今年もワンオペで牛すき焼き御膳を配膳する日々を送っている。

 

そしてプレースタイルもラロハでCBのプレーにもW杯で挑戦しておりまずまずの出来。こうなるとCBロドリ、DMFフィリップスでの共存も可能になるし、DFコアが脆いということを考えてもシティとしてはありがたい(エンリケGJ!!)。

 

ロドリの課題としては中長距離のパスの精度と対人能力の向上であるが、その部分はフィリップスが担当するので、正直何もいう事はない。

 

ただ不安なのが、ロドリの弱点である周囲に選択肢のない状況でのプレー精度の極端な悪化というのがあるので無秩序状態になることによるベネフィットにチームが揺らいだ時に、そこで安定的なプレーが出来るのか、そこが気になる。

 

17 デ・ブライネ

[http://Embed from Getty Images :title]

最終生産装置という念願のおもちゃを買ってもらってウッキウッキの神のアシストショーと化している今季は昨季のST寄りのプレースタイルを本来のチャンスメーク型に変更、ハーランドにボールを運搬するポジトラの鬼として支配層MFの本領発揮。

 

しかし、である。

 

ペップシティはこれまで最適配置を徹底するためUT性を用いて選手の柔軟なポジションチェンジによって相手を幻惑し、再現性のあるビルドとポゼッションから深く抉って折り返すロークロスに飛び込むことで試合を支配してきた。しかしながら支配力が高まれば高まるほどに相手の人の壁は強固になってしまうので、同格以上になるとLBの弱みを突かれてしまい敗北するという有様だった。

 

そこでペップがバルサバイエルンでも用いてきた理不尽支配層最終生産者の最終生産効率の最大化によって支配力の増強と最終生産の成功確率の向上を両立させることをシティでも果たそうと獲得されたのがハーランドである。

 

そしてハーランドの武器がシティ既存のものと合致したことから早期にフィットしたものの、ある誘惑が残った。配置が整わない状況、間延びしたような状況の方がデブ神とハーランドのカウンターが刺さりやすく相手にクリティカルにヒットするのである。

 

ゼロトップ時代3年間の反動からか、どうしても早く攻めてしまわないと相手陣形が整ってしまうという恐れからボールはどうしても早く前線に向かい緩急がなくなって来ている。だからこそグリーリッシュやベルナルドをWGで使いボールを落ち着けようとしているものの、依然として残るのが、無秩序陣形によるカウンターという武器をどのように処すかである。

 

今まで取り組んできた最適配置の緻密性は日を追うごとに失われ、gdgdの陣形からデブ神とハーランドの個人能力でゴールを割るも、ボールが速すぎるのでネガトラが十分に働かずに後ろに負担がかかり、コアレベルが怪我でいないこともあって失点も増えているという状況である。前がかりにこない色気のないチームの場合の苦戦さは昨季以上なのが現状だ。

 

この6年間の積み上げと個人カウンターの両立をどのように処すのか、個人的には4231導入によって後ろの人数を増やすのでは、と見ているが果たして。

 

 

18 オルテガ

[http://Embed from Getty Images :title]

 

エデルソンをLBで起用して欲しいの会が、今、揺れている。

 

このGKのフィールドプレイヤー起用の話はエデルソンのところで話すとしてですね。最近行った名古屋旅行のお話をします。

 

そろそろ修士課程も修了できる目処がたったとのことなので、このタイミングで名古屋旅行に行こうかと数ヶ月前からの計画を実行に移したわけですが、いやー名古屋ってめちゃくちゃ広いんですね。名古屋名物らしいものはあらたか食べたのですが、まぁ美味しいものもありますし、名古屋駅から栄までの都市部分とそれ以外の田舎部分のコントラストも激しく、今、話題のジブリパークにも行って来ました。

 

名古屋駅には、うまいもん通りというのがあり、ここで名古屋グルメは大体が揃っていて大変助かりました。

www.nsk-eki.com

 

ノースとかコロンビアといったアウトドアブランドショップも立ち並んでいて一番テンションが上がりましたね。でも品揃え的にはどーかなーという感じでした。まぁ行った時期が12月なので人気商品は出払ってしまいますからね。それにノースやコロンビアはセレクトショップの方が割引とか使えて良いので、そっちで買ったほうが良いと思います。

 

この時期だと冬物の人気アウターは売り切れでしょう。しかし、ベースレイヤーなら売っていると思うので、ぜひ。モンベルのベースレイヤーは特におすすめです。

 

ジオラインとメルノウールが二大巨頭です。前者は速乾性が良く夏におすすめです。特にVネックの一番薄いものは僕は愛用しています。白シャツの下にも着れるのでめちゃくちゃ着心地良くて愛用しています。後者は保温性も高く冬におすすめ。クルーネックの中間の薄さのものはパジャマとしても使えたりして素晴らしいプロダクトだと思います。

 

一見分厚いアウターの方がみなさん飛びつきやすいのですが、大事なのはベースレイヤーなんですね。登山される方はみなさん仰います。一度お試しください。値段はベースでも高いですがモンベルはその中でもお手頃なので一度試されると良いと思います。

 

レーヨン素材のヒートテックでは汗冷えを起こしてしまう危険性もあるので、避けられる傾向にあるので、その辺は一度アウトドアブランドのベースレイヤーをお試しください。

 

あ、名古屋旅行の話でしたね、、笑

ごめんなさい、アウトドアブランドヲタクなんで、、笑

 

名古屋では、うまいもん通りで中華料理屋の味仙で昼ごはんを食べました。青菜の炒め物やニンニクチャーハン、そして台湾ラーメンを注文しました。いや、甘く見てましたね、結構、量もあり、何より台湾ラーメンって結構思ったより辛かったです。お気をつけあれ。

 

晩御飯としては、山本屋本店に行きました。味噌煮込みうどんのお店ですね。人生で初めて味噌煮込みうどんを食べたのですが、発見だったのが麺が固めなんです。味噌も結構濃いかなぁと思っていたんですがスープもグイグイ飲めて、めちゃくちゃ美味しかったです。

 

あとジブリパークですが、めっちゃ遠いしめっちゃ広いです笑。

 

まず名古屋駅から東山線で終点の藤が丘駅まで30分くらいかけて移動、その後にリニモに乗って愛・地球博公園まで15分かけて移動しました。ただ個人的にはリニモは乗ってみたかったので達成感は高かったです。中も相当に広く、まぁ万博跡地なので当然と言えば当然なんでしょうね。パーク外だけでもどんだけあんねんという笑。

 

そして他に行ったのが東山動植物園、ここも広い、広すぎる笑。あまりの広さから園内を走る電車みたいなのもありましたし、まぁ面白いとこでした。

 

あとは事前に調べておいたセンスありげなセレクトショップを巡った感じですね。余力があれば徳川博物館にいきたかったんですよねー笑。もう疲れてクタクタだったので笑。

 

そしてお土産に関してですが

 

両口屋是清の和菓子はおすすめです。名鉄百貨店や名古屋高島屋で売られています。をちこちというムラサメやささらがたという小型の和菓子のセットなんかは賞味期限が1ヶ月程度ですしお土産として喜ばれるかと思います。またういろうで有名な青柳もおすすめですね。青柳のういろうは小型の5本セットが良いかもしれません、ひよこの形をしたお饅頭も売られており、これも良きですね。大須のういろバーとか、和菓子が有名なんですね名古屋は。

 

名古屋駅のグランキヨスクにほとんど売っているので、そこで買うのが良いかと思います。

 

しるこサンド小倉トーストラングドシャ、シュガーバターの木の名古屋限定の味だったり、本当に色々なものが売られていますので、ネットなどで情報を集めてぜひ読者様も名古屋へ行ってみてください。本当に楽しくって良い旅行でした。

 

19 アルバレス

[http://Embed from Getty Images :title]

 

ハーランドの耐久力が低いので、ある程度の出場時間は取れると思ったのに、まさか、という感じで、それでも持ち前のカバー範囲の広さ、ミュラーのようなSTとしてのプレーなど光るものを複数見せており後半の活躍に期待できそう。

 

シルバの得点力増強版がフォーデンならデブ神の得点力増強版がアルバレスだろう。この2人がIHに並ぶと初期に見た夢が具現化されるので是非試してほしい。

 

今季としては4231でも433でもWGやSTといったポジションでハーランドを活かしながら自分自身も活躍するのがベスト、IHはデブ神とベル、WGをフォーデンとアルバレスというのが今季のベスト布陣になるか、LBアケがハマれば意外と大耳いけちゃう?笑、なんていう妄想もしてしまいそうだ。

 

言語面でも必死のトライを見せており、そういう意味でも今季は順応の一年としてくれたらと思う。アルゼンチンの至宝の成長に期待したい。

 

20 ベルナルド

[http://Embed from Getty Images :title]

 

ベルちゃんはやめへんでー2022夏を終えて迎えた今季

 

難しいのが寿退社決まってる社員をプロジェクトに参加させて大丈夫なんでしょうかね?的なノリなのか分からないが、現状ではWGでボールを落ち着けるという仕事をこなしながらもWGとしての突破力はないので5トップの弱体化にはちゃっかり貢献してしまっている。

 

巷ではベリンガム獲得も噂されているが、それは厳しいと思う。LIVは明確にIHの位置が空いているし、シティとしてはベルとギュンの去就が不透明でしかないし、もしかした残るかもだから動きづらいのだ。仮に2人とも残るとなると本格的に使い所に困ってしまうし、ベリンガム側もそこは理解しているだろう。

 

アロンソのいるマドリーへ行って失敗したシャヒン

ルーニーのいるUTDに行って失敗した香川

 

ここら辺を理解しているはずなので、まぁベリンガムは来ないでしょうね。

 

ただ狙うかもよーーというポーズだけはとって移籍金を引き上げてLIVに資本的打撃を与える程度は出来るので、ハッキリとしたスタンスは出さないだろうが。

 

個人的に疑問なのがバルサは本当にベルを欲しがってるのか?である

 

前もブログに書いたが

lilin18thangel.hatenablog.com

 

今のバルサに必要なのはレヴァの能力を引き出すためのレバミュラ2.0を構成するSTタイプであるし、ベルがプレー出来るWGとIHに関しても前者ではファティ、デンベレ、ラファ、フェラン、後者ではペドリ、ガビ、フレンキーがいることを考えると本当に必要なのか不思議でたまらないのだ。

 

バルサとしてはブスケツ退団で4番の欠落を埋める補強を考えるだろうが、ブスケツの後継者など見つかるはずない、なら2ボラで対応するのがベターであり、ガビ、フレンキー、ペドリを使うべきだろう。そしてSTにはフェリックスやラウタロを招ければ最高で、レバミュラ2.0の装備が叶えばCLクラスのバウトでも理不尽で相手に勝ち切れるはずだ。

 

DFラインに関しても今季CL敗退の原因となったコアレベルの離脱に対する脆弱性を考えると1人はDFが欲しい、ならラポルテやパウを取るべきだろう。現在のスカッドにいない左利きのフィードプレイヤーであり、クロス爆撃をする上でも中長距離のパスで左右に散らせることのできる選手は有用に感じる。

 

ベルナルドは居ても困らないだろうが、正直バルサよりもマドリーの方が合うように感じる。まぁベルは契約終了までシティにいて、そこからベンフィカに帰還すると予想している。まぁそうなるとあと2回ベルちゃんはやめへんでーを見ることになるのだが笑。

 

21 ゴメス

[http://Embed from Getty Images :title]

3代目ファビアン・デルフ

 

ペップ、左利きなら誰でもシティのLBにして良いと思ってる説を密かに提唱しているのだが、いよいよフォーデンもLBで使われ始め、そしてデルフの血統も途絶えるかと思った矢先、2代目がアーセナルへ旅立つと、やって来たのがユース年代で名前をよく聞いたゴメスだった。

 

助っ人外国人感の強そうな名前のゴメスは、MF出身らしいテクニックはあるが対人守備は期待できなそうで、体が意識に追いつかずレッドカードで退場を宣告されてしまうほど、まだまだ経験不足の感は否めない。

 

しかしながら左アウトサイドレーンをカバー出来る貴重な選手としてグリーリッシュとの相性は良さそうなので、そこでの活路は開けるか。個人的には2代目同様に、ある程度金銭を置いて移籍してくれるようになれば良いかなレベルの期待しか現状は持っていない。

 

ククレジャ、欲しかったなぁ。。。

 

25 アカンジ

[http://Embed from Getty Images :title]

アウトレットでゼータジャケット半額で買ってこれたくらいの満足感のある買い物が出来たのがアカンジである。本当にこんな選手、この金額でもらって良いの?とドルトムントさん、いやドルトムント様には頭が上がりませんね。

 

ラポルテ離脱、ストーンズは当然のように居ない中、ルベンの相方としてそつのないプレーを見せており暗算が得意で考え込みすぎる性格からスランプに入るとプレーが鈍化すると言われてはいるものの、今の所、本当に良くやってくれている。

 

出来ればRBでのプレーにも挑戦してプレーの幅を広げると共に、伸びていって欲しいところではある。ウォーカーとストーンズの耐久力に多くを期待できない中、前半のMVPはハーランドになるのだろうが、この男の活躍も、もっと評価されてほしい。

 

今の所のDFラインの布陣としては

VS格下

RBアカCBルベラポLBカン

VS格上

RBウォCBルベストLBアケ

 

みたいな運用ができたらベストと考える。

 

 

26 マフレズ

[http://Embed from Getty Images :title]

明らかに鈍化した感の否めないアルジェリアエストレーモは昨季くらいから特にスロースターターになった印象がある。

 

ドリブルのキレも悪く、そもそも運動神経を利用したスタイルというよりもトリッキーなテクニックと独特の間合いでぬるぬるボールを運ぶタイプの技巧派なのでスランプに入ると主だった蘇生法もなく、とりあえずは使ってみる、しかないのも辛いところ。

 

ただマフレズの一番の使い所はCLや同格以上とのバウトでの左足1発なので、そこまでに調子が上がればいいなぁくらいに気楽には見ている。

 

18/19 1339min

19/20 1941min

20/21 1955min

21/22 1491min

 

とリーグ戦で出場してきているが、契約延長したこともあるが、シティとしては枯れるまで保有する、という選択をした。パーマー、アルバレスがある程度のレベルまで育つまで繋ぎ、メンターとして影響を与えてくれれば、あとはCLで得点を取ってくれれば問題はない。

 

ハーランドのシティ勧誘にも貢献してくれたし、ボチボチ本領発揮してくれば。

 

ただドリブル成功率を見ても

19/20 58.4%

20/21 55.5%

21/22 52%

 

と、リーグ戦での成功率も下がってきているし、今季は試合数が少ないとはいえ45%と、2回に1回突破できているかどうか。いっそトップ下にコンバートしてみてはどうだろうか?

 

ホアキンネイマールのように、WGから徐々に10番へと変異することが出来れば、選手寿命を伸ばせる可能性もある。

 

 

31 エデルソン

[http://Embed from Getty Images :title]

 

GKのフィールドプレイヤー転用性

 

自分が、ここ6,7年ずっと議論していることである(ちなみに誰も議論に付き合ってくれなくて寂しいが)。時にペップバイエルン2年目、グアルディオラはあるコンバート実験を実施しようとしていた。

www.football-zone.net

 

ノイアーボランチ起用。

 

ルンメニゲは傲慢な振る舞いとして説得し止めたそうだが、個人的には何やってくれとんねんおっさんという気分である。では、いったいペップは何をしようとしていたのか?

 

それはトータルフットボール思想の具現化である。

 

そもそもトータルとは典型描像の解体と再構築、すなわち脱構築行為を用いて当該ポジションにおける典型的な挙動というポジションに紐づいた目的や所作を整理し直し、そのロールをその他のポジションに対して分配することで、チーム全体としてのロールの保全と相手に対する異常挙動の提示による優位性の確保を目指すものである。

 

CFという最も攻撃的な選手に対して守備を命じ

GKという最も守備的な選手に対して攻撃を命じる

 

こうした普通では考えられない挙動を命じ実行させることによって相手の基準点をずらし確保された優位性を保つというのが狙いと言えよう。

 

これはトータル云々というよりサッカー、もっと言うと娯楽の根源にある予定調和の破壊という概念の具現化とも言える。

 

攻撃しないと思われていたSBがサイドレーンを進撃し、サイドにいるもんだと思っていたSBが中央でボランチの振る舞いを見せ、外に張っているだけと思われていたWGは中に入ってゴールに迫ったり、守備しかしないと思われていたCBが進撃したり司令塔のように振る舞いボールを分配したり、そして止めることしかしないと思われていたGKはビルドアップに関与し始めたりロングボールを左右に分配する司令塔となったり、、、

 

サッカーの歴史とは古典描像という予定調和を、いかに壊すか、といった観点で成長してきたとみることが出来る。ペップのもたらすそれは”偽”と呼ばれ、サッカー偽物語の作者として数々の偽〇〇を生み出してきた。

 

フィールドプレイヤーのUT性を推し進めることで多彩なポジションチェンジが出来るばかりか相手の想像を超えた挙動を実現できるように訓練すること、この方向性でペップは14年間海外サッカー界をリードしてきた。

 

しかし、ポジションチェンジが不可能な場所がある。

 

GKである。

 

GKだけは完全固定され、複数選手のローテも難しく、それゆえにGKは共存できない。そう言われてきた。

 

職業野球に目を向けると似た概念がある。それが投手と野手の兼任、すなわち二刀流である。大谷翔平が成し遂げた偉業をサッカーヲタクに分かりやすく言うならば、GKとしてリーグ屈指の活躍を果たしながらCFで得点王ランキングに入っている、と言うことになる。

 

では、これは実現可能なのか?

 

NO!

 

そんな声が大きいからこそ大谷は歴史的と絶賛されるのだ。

 

仮にGKのフィールドプレイヤー転用がなされるとどうなるか。それはGKの共存不可という価値観は揺らぐ、そして2ndGKのコスパが良くなるわけだ。そもそも2ndGKはカップ戦で少ないイニングを食うだけ、そんな選手を抱えるのはひとえにGKというポジションの特殊性ゆえである。

 

仮にGKが故障すればフィールドプレイヤーでは補いきれない、非可換だから。

      (fig7) そんなことないよーと叫ぶウォーカーさん

 

確かにフィールド→GKは厳しい。

 

ではGK→フィールドなら?

 

できなくはないように思える。というか出来ると考えたからこそノイアーはMFで出場しかけたのである。相手に合わせてGKを使い分けることも出来るし、GKの転用がなされれば、それはトータル思想をさらに広げ、11人のUT集団という新たな次元が広がることを意味するわけである。

 

大谷翔平が投手野手二刀流をやろうとした時

 

多くのOBやファンが『そんなにプロは甘くない』『中途半端に終わるだけ』

 

そんな声を浴びせる中、大谷翔平は歴史を変えました。

 

しかし、大谷のプロ入り前に肯定的なコメントをしている人がいました。

 

私は大賛成です。周りは、みんな否定的なこと言うけどね

野球OBの人たちは最近の野球選手は個性がない、個性がないって非難するけど

いざ、大谷のような個性が出てきたら全力で否定する。

やる前からやめた方がいいんじゃないかとか

本人がやりたいって言うならどっちもやらせますよ

どっちやらせても面白いもん

 

これは3度の三冠王に輝いたNPB史上最強右打者にして8年間連続Aクラス入りの実績を作った覇権集団中日ドラゴンズを率いた

 

落合博満の言葉である。

 

僕もグダグダ書いてきたがなぜエデルソンのLB起用を見たいかというと

 

面白いからである。

 

だって見たくない?笑

 

サッカー界の大谷翔平は意外と近くにいる、そんな気がしてならないのである。予定調和の呪いを打ち破るのは狂気を秘めたペップシティしかないような。。。

 

47 フォーデン

[http://Embed from Getty Images :title]

UTDとのタービー戦でのハーランドとのハットに胸躍らせたサポーターも少なくない。無事に契約延長にも合意し、これで名実ともにシティの看板選手としてのキャリアが本格的に始まったといえよう。

 

ここ数年は、複数ポジションに出ては印象的な活躍を果たし、選手の幅を広げると同時に経験を積ませるというタームだった。LWGを根城にしているが、やはり彼こそEDSが産んだ得点の取れるダビシルバであり、国産のイニエスタなのだから、最終的には中央、IHでプレーするのが理想に思える。

 

ハーランドをフォーデンとアルバレスで支える形の433でも面白いし、しばらくは複数ポジションで使われるだろう。しかしゴール前、出来たら中央に置きたいのでIH起用したいのだがデブ神、ベル、ギュンがいるので、とりあえずWG起用が続いている。

 

IHで出て欲しいなぁと見ていたらLBに回されたりしてコアUTここに極まれりといった感じなのだが、IHでみたいなー、IHでみたいなーと考える次第である。

 

いずれハーランドの勢いは止まる。その時の抑止力としてフォーデンには期待したい。アグエロのシャドーにスターリングとジェズスがなれなかった二の舞にならないように順調に怪我なくシーズンを過ごしてほしい。

 

IHでみたいなーーーーー笑

 

80 パーマー

[http://Embed from Getty Images :title]

                             (fig8) シティユースを語る9210氏

 

合成麻薬みたいな呼ばれ方をしているチームことEDSであるが、今季の市場における売りオペレーションが多く実施され、1軍への戦力供給よりも集金の方が印象が強くなっており、多くの”同志”が換金されていったわけであるが、戦力に対しての評価額を超過すれば一文もださねぇぜおじさんのチキべギリスタインがいる限り、若手の突き上げがないとどうしてもスカッドのレベルが厳しいものになってしまう。

 

今季のようなミニマムな布陣だと、複数の怪我人が出てしまうと一部の選手に負荷がかかってしまい、その事と過密日程から要所の試合においてコアレベルの選手を欠き、厳しい試合展開を招いてしまうのは事実なので、換金の夏を免れた選手たちの一段の成長を願いたいところなので、1軍で最もスタメンに近い男であるパーマーには期待せずにはいられない。

 

EDSの試合を見るに低い位置でのロストがあるものの基本的には上手くて強くて速さも少し兼備してるタイプに見え、主にはIHとWGでプレーしておりマフレズが本調子に程遠いRWGで覚醒を期待したいところだろう。

 

前述したようにペップシティ初年度の課題でもあったIHの得点力不足の課題からかEDSにおいては、"得点の取れるダビシルバ"が大量生産されており、フォーデン、マカティ、パーマーと似たようなタイプが多い。

 

出場時間も少ないものの独特の間合いでリズムを刻んでのドリブル突破でチャンスメイク出来ると良くRWGよりもLWGに挑戦してクロスマンになれるとフォーデンをIHに回せて良いのだが。何はともあれ出場が少なすぎて比較もしづらいので、とりあえず使ってくれよペップというお気持ちである笑。

 

 

最後に

 

今年も僕のブログを読んでくださった方々に感謝申し上げます。脱構築ヲタクの駄文があなたの隙間時間を有意義なものに出来ていたら幸いに存じます。

 

良いお年を。

 

来年もよろしくねー。

 

牽牛星 拝