牽牛星のよろず日記

自分の興味あることを思うがまま記述したいと思います。

鶴の翼を広げて(ペップシティ21/22選手名鑑風)

 

第1部 選手名鑑

背番号 名前 年齢 契約満了年の順に記述

S班(絶対軸)

 

17 神 デブライネ(30) 2025

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形容する言葉を失う絶対的選手。カウンターに転じた際の高速ドライブからの圧倒的コマンド力で急所を刺す現代最高MF。最終生産性を兼ね備えていればバロンドールを毎年獲れるほどのメガクラック。

 

被ファールも少なくなく、年齢的にも欠場が増え始めている。グリ加入でIH要員が揃う今季は4番に挑戦してほしい。ペップが志向するトップペンタゴンへ加勢する6番手として『動くピボーテという新たな描像を示すか。カンセロ以外のボランチラインの選手は誰でも6番手として前線に駆け上がれるスキームを実装するのでは、と自分は見ている。神でいられる時間も減りつつある中で、ジェラードのようなキャリア晩年をシティで送れる事を祈りたい。

 

3 救世主 ルベン(24) 2027

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昨季加入し、442での退却守備の強度向上に貢献。CBの絶対軸としてチームに安定感を与え、コーチングや振る舞いで隣のストーンズの再生にも小さくない貢献を果たしキャプテンシーも発揮。4番に安定的スペースを与えるための自陣側に相手FWを引かせる誘導など守備攻撃両面においても絶対的な選手。引退まで囲いたい。

 

ケガされると本当に本当に困るので無理のない範囲で運用していきたいのだが、いるだけで安心感が全く異なるので無事にシーズンを過ごせる事を願うのみ。UT性実験を実施するか微妙だが、改造したとするとどうなるか、弄って変になるのが怖いからステイしているのかも。

 

2 一家に一台 ウォーカー(31) 2024

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ボトムペンタゴンの強靭化を任されて今季で5年目。スパーズ時代の面影も薄れ、すっかり守備的RBの第一人者。1VS1は抜群でワールドクラスのアタッカーでもしっかりと対応可能。

 

今季は独力突破性の薄いウイングの補助を目的とする純正SBとしての6番目の攻撃者の役割も担う可能性があり、更なる負荷がかかる、本人にとっても良い影響を及ぼすと良いのだが。左利きのウォーカーが欲しい。。9番がいないのであれば、守り切れる屈強なDFラインを築きたいので、左右互換版ウォーカーが欲しくてたまらない。

 

31 狂人 エデルソン(28) 2026

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恐怖を感じないモンスターポルテーロ。広大な後方のカバーに加えディストリビューションでも貢献するペップの求める最適GK。ペップGKの最適素養は足元というよりも失敗しても平気な顔で繋げる不動心。エラーはどうしても起こりやすいのでメンタルが結構大事になる。

 

心が壊れてる系の選手は突然退団希望を出してきたりするので、出来るだけ早くに契約延長で囲った方が良い。この類の選手は希少種なので、後釜は皆無に近い可能性もあるため契約延長は絶対急ぐべきと思っていたら無事に新契約更新。今季はCBよりも前に出てのプレーが見られ、リベロ型GKの更なる進化に期待がかかる。

 

20 岐路に立つ賢者 ベルナルド(27) 2025

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デブ神の離脱後、最適配置の理解と実践に加え偽9番も嫌な顔せずこなす。スペイン方面への移籍を画策しているそうだが、なんとしても残留させるべきスーパーな選手。

 

ただ実際一年で出て行くなら、左SBをやらせてみるのもアリ。ボトムからの加勢要員としての役割をこなす能力は十分あるはず。言い方は悪いが来季シティにいないとするなら『使い潰す』という判断もある。本当に申し訳ないが、こんなスーパーなUTは中々いないのだ。

 

 

A班(レギュラー)

 

47 運命の子 フォーデン(21) 2024

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ヘソ前すべてをこなすUTアタッカーにして、質で叩けるシティが誇るワールドクラスのプロスペクト。気になるのは耐久性であり、今後は悪質なファールも増えそうなのでケガにだけは十分気を付けて欲しい。

 

個人的今季の最大のキーマン。最終生産者の獲得に失敗した今、9番ポジで質的優位で押せる最高の選手だ。グリが左でやれるなら真ん中でチームに違いをもたらせる、シティのメッシになって欲しい。来季の9番到来も考慮しIHでのプレーにもチャレンジしており、前線5レーンどこでもプレー可能な素養の完全開花に期待したい。

 

5 頼れる壁へ ストーンズ(27) 2026

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数年、良かったり悪かったりを繰り返していたが、ルベン到来で昨季は見違えるように安定感を発揮した。スペ気味ではないのだが、どうしても回復速度が遅く谷間の先発を必要とする。しっかり休めばしっかり働くので使い方次第か。

 

契約も無事延長し、国産CBとして昨季に続く活躍が求められる。メンディの離脱で谷間先発ラポルテが駆り出され休養が少なくなり苦しむ事は避けたいところ。

 

26 覚醒の逆足レフティ マフレズ(30) 2023

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昨季は右翼で絶大なる存在感を発揮し、ビッグマッチでも得点に絡んだりするなど単独で複数の選択肢を提示し、最適な選択で後出しジャンケンできるようになった。スターリングが左で苦しむのと対照的に右は充実のシーズンだった。

 

レスターでは中央でもプレーしており、今季のシティにとっても偽9で降りて選択肢を提示する役割を任される可能性もある。それがハマればスターリングを右でも使えるので、偽9番をこなせるか、チームにとって大きな影響を及ぼす。9番獲得失敗によりジェズスのRWG起用による大外to大外アタックからの得点源として起用が増える可能性もある。更なるレベルアップでサラーのような圧倒的な選手になって欲しいところ。

 

25 安全装置 フェルナンジーニョ(36) 2022

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周囲に人がいなくなるとコマンド力が減退するロドリとは異なり、いつ何時も慌てずいるべきところへ顔を出す古参のマルチロール。コアUTとして多大な貢献を果たし、契約延長を勝ち取った。もうワンテンポ早くパスを出せたらと思う場面が少なくない事が唯一の文句か。フィジカル的にも加齢の影響は来るはずだ。残り少ないシティでの在籍期間がより良いものになると良いのだが。

 

昨季チェルシー戦で見せたゼロIHのようなシステムを用いるならボランチラインで無人と化す修羅で最適なカバーが出来る唯一のボランチになる。またメンディの穴を埋めるべく左ラテラルにも駆り出されることも考えられ、忙しい晩年を送ってもらうかもしれない。

 

8 突撃屋 ギュンドガン(30) 2023

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シティ6年目を迎えるトルコ系ドイツ人司令塔は昨季、カンセロロールからの最終生産者としてブレイク。平均点のプレーを繰り返しながらも、どこか期待に応えきれていない感のあった男が『スタメン』として認められたシーズンだった。

 

今季もIHを中心に飛び出しての最終生産も求められるだろうし、ケガなくシティの中盤選手としてのプレーが求められる。絶妙に気が利いて、数少ない最終生産をもたらせる選手なので、IHとして円熟味の増したプレーに期待したい。

 

16 絶対的4番へ ロドリ(25) 2024

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勝負の2年目に輝きを放ち正ピボーテとなった。周囲の選択肢の数で判断力が左右されてしまい、どうしても繋ぐ判断をしてしまうのは玉に瑕。絶対的な存在ではない事が大耳決勝でのスタメン外しに見て取れる。

 

ジーニョが来季退団で新4番獲得に動き始める可能性もあり、今季のパフォーマンスはシティでのキャリアに大きく響く可能性もある。4番には人一倍厳しいペップを満足させるようなプレーが求められる。スタメンクラスでも平気でポジションを奪われるのはラポルテを見れば明らかだ。今季は正念場になるだろう。

 

14 最高の3番手 ラポルテ(27) 2025

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5バック相手で得意の左足からのフィードの有用性が薄れ、大事な試合でミスをしてしまいがちな事とルベン到来で3番手に降格。ストーンズが回復に時間がかかるので、それなりに出場出来るが本人は移籍願望もあり来季出て行くか

 

数年前のスタメンがカップ戦やスタメン欠場時に出て来るのだから資本主義とは本当に恐ろしいのだが、3番手としては最高であるが遅かれ早かれ移籍はするはずで、アケの第3CBとしての育成にも時間を割くべき。左SBでの出場はあっても6番手としての加勢は厳しく、限定的になりそう。

 

27 6番目の攻撃者 カンセロ(27) 2025

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攻撃センスはあるが守備能力に不安を抱える攻撃型ラテラルは昨季にボトムからトップへの加勢する6番目の攻撃者としてカンセロロールと呼ばれ一躍時の人に。SBからぐんぐん上がっていき最後はギュンが決めるというパターンがハマりスタメンの試合も増えたが後半は守備面の厳しさからベンチが増えた。

 

今季はメンディの離脱で左SBでのプレーも増えるだろう。もうカンセロロールは見切られてる節もあるが、その攻撃センスは随所で光るはず。課題の守備面はリスクマネジメントには気を付けてもらいたい。前線に6枚を投下する攻撃のペップシティの新機軸のプロトタイプだが、このスタイルを偽SBにも求めそうな今季、『先輩』として、更なる活躍に期待したい。

 

10 一億£の男 グリーリッシュ(25) 2027

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ペップシティ今季唯一の補強選手。デブ神の負担軽減、国産MFとしての英国のバイエルン化のための補強、悩めるスターリング復活の為の黒子。移籍金額で外野が騒ぐかもしれないが、早期にシティに馴染んでおり活躍に期待がもてそう。

 

ヘソ前全てこなせ、偽9番へのトライもあるか。国産コアUTとして初年度からのフル稼働が望まれる。安心してデブライネを休ませられるかは、この男にかかっている。ルベンがストーンズを一人前にしたようにグリもスターリング復活貢献に期待。WGも出来るIHとしてデブ神をビッグマッチに注力させるべく、貴重な選手となる。是非怪我無く初年度を乗り越えて欲しい。

 

 

 

B班(準スタメン)

 

7 復権の翼 スターリング(26) 2023

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昨季は右翼マフレズがハマり、シルバも退団し、苦手の左で孤立し放出要員とも噂されたスターリングだが、EUROでも見せたように偽翼的に中に入っての仕事は出来、潰しはききそうな気配は感じさせた。

 

今季はSBのハイブリッド化で独力突破出来ないウイングの補助としてSBが上がるスキームに挑戦しており左翼スターリングは中での仕事が出来、周囲も選択肢を提示するため昨季よりは良くなるのでは。偽9番マフレズがハマれば右復帰も見込める。大事な国産選手、今季こそ主力としてのフル稼働を。メンディの離脱が厳しくなりそうだが、期待は小さくない。IHやCFといったポジションで新境地を開くか、シティのレジェンドになるかどうかの瀬戸際にいるのかもしれない。

 

21 勝負の2年目 フェラン(21) 2025

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獲得初年度はサイドでの突破が上手くいかずベンチ要員となった。ペップの最適配置理論にも苦しんだのかもしれない。しかし実力がある事はリーガでのハットトリックで証明されており、『先人』同様に2年目でのブレイクに期待がかかる。

 

偽9番に挑戦しているが、23ボトムからのパスへの選択肢づくりとしての引く動きに再現性がなく難しいかもしれない。サイドでの『横断』性はあるとはいえ、やはり得点に絡む動きが欲しいところだ。バーディーの様なムービング型の9番が着地点になりそう。LWGでもプレー出来、最終生産も可能なビジャのような選手になってくれるとありがたい。そうなると来季9番獲得後も共存の道が見えてくるはずだ。

 

9 変化 ジェズス(24) 2023

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昨季に限らず最終生産性がなく、前線のコアUTだが、いかんせん得点が獲れず使いどころも難しくベンチが増えてきており、ケイン獲得に伴い放出も噂された。

 

代表でも9番以外のチャンスメイクの部分で活躍しており、今季序盤もサイドで躍動する姿を見せた。特に今季のSBのハイブリッド化による加勢スキームは右ウイングでの起用時に味方するはずだ。新境地サイドで輝けるか、勝負の一年になる。

 

11 偶然を味方に ジンチェンコ(24) 2024

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昨季は前半は出番が少なく、フィジカル系のメンディ、技巧派のカンセロ、と並ぶと個性が弱く使いずらかったものの、徐々に定位置を掴み取った。守備面でも攻撃面でも一番バランスに優れ、そつなくこなしていた。

 

メンディほど強くもなくカンセロほど上手くもないがベターなLBとしては及第点を出す。出来れば攻め上がりの迫力を身に着けるか、フィジカルで競り負けない強度が欲しいところ。ベンチに置くUTとしては申し分ないがコアにはなりえないというのが現状か。メンディ離脱で空いたLBに入り込めるか。

 

6 一つ上へ アケ(26) 2025

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第4CB兼第3LBという保険の選手なのだが、今季はLBメンディが離脱し、来季はラポルテの退団が現実味を帯びており、保険の保険から保険への格上げが望まれる。テクニック面と理解度は高いがフィジカル面が心配。良すぎても移籍願望を抱く可能性もあるので『第3CB』というのも中々難しい。責任感の強さがコマンド力を低下させてる節もあるので精神的な落ち着きがカギを握るかもしれない。

 

13 貴重なバックアッパー ステフェン(26) 2023

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第2GKというのは当人にとっても球団にとっても難しい。良すぎると他球団に狙われるし悪すぎるとスタメンGKの保険としても心配になる。ステフェンは、この絶妙なレベルをもっている選手で悪くはないがエデルソンを脅かすことはないと断言できる。

 

そもそもシティのGKに求められる素養は特殊でエラーが発生する事も少なくない。そのうえで切り替えて何食わぬ顔でビルドアップしなくてはならないし難しいところだ。

 

C班(有望株)

 

48 未来の主砲 デラップ(18) 2026

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EDSの中で最も将来を嘱望される男。9番獲得未遂に終わった事で純正9番として出番は必ずやってくるはず。今季の鶴翼の陣において偽9番的縦断からのコマンド力の安定とターンして背負えるならスタメンも見えてくるはず

 

現状カップ戦要員で、スペースを突く動きやボックスの中での動きに特徴があるもののトップレベルの圧力下における技術低下度合いは未知数。両足どちらでもシュートを打つことに苦手意識はなさそう。収める力を9番で示せるなら未来は明るくなるはずだ。期待したい。

 

 

53 技巧派WG エドジー(18)

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デラップと同様にポジションが空いている事から可能性はある。右が本職で左に苦戦するスターリングに代わって出場する機会はあるはずで早速CSではスタメン出場していた。パスする際は右で蹴っているようだが、シュートの際は両足を使う事に抵抗はあまり感じられず、テクニックでヌルヌルぬいたりシザースを仕掛けたりするタイプ。

 

爆速で突破するというよりもヌルヌル前進したり『抜く』より『運ぶ』事の方が得意なように見えた。爆速でぶち抜けるならトップ起用もあると思うが、現状では厳しいか。CSでは途中で疲労から下がったようにスタミナ面も課題かもしれない。

 

90 若き6番 ラビア(17) 2023

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ジーニョの後継として見られているようだ。技巧に自信があるのか、ボールを低い位置で持っても即座に放さず少し保持してから動くことが多い。フィジカル的にもまだまだな感もあり、ジーニョというよりはスケールの小さいヤヤのように見える。

 

ラビアにとって不幸なのは世界一4番にうるさい男が監督を務めている事だ。バイエルン時代はホイベルグ、ガウディーノは期待されるも落とされたように4番としてペップチームで生き残るのは難しい。何かに特化するかSBへのUT性を見せるなりしないと厳しいかもしれない。キミッヒが最終的にRBとCBのUTとして使われるに至ったようにラビアもUTで活路を見いだせると面白い。

 

80 UT系MF パーマー(19)

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次のフォーデンとして期待のかかるパーマー(パルマー派もいるが)。最適配置を理解した動きでWGとIHの両方に対応し、長い脚を使ってのボールハントも出来、選択も間違える事は少なく190cm近い身長もあり、トップ帯同を許可されたのも納得がいく。

 

簡単に飛び込んで交わされてしまったりするので怖いのだが、個人的に4番起用を見てみたい選手。インテリジェンスがあり長い脚で前線の選手だったブスケツと被る部分もある。本人はアタッカー気質かもしれないが試して欲しい。チャビやイニがカンテラで4番を経験して成長したようにユース年代で『失敗が許される時期』に経験させたい。

 

89 左利きの魔法使い マカティ(18) 2023

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シルバを彷彿とさせる選手で、IHを主に左足から正確なパスを配球する。サイズはそこまでだが、献身的なチェイスも行っており守備意識は高い。ドリブルは抜くより運ぶドライブが中心でハーフスペースに侵入しての高いコマンド力が持ち味

 

ただ現状のシティにはハーフスペースでプレーできる選手で溢れかえっておりトップで立場を確立するのは難しいかもしれない。ベルナルドをお手本に守備面でもう少し強さを発揮できると良いのだが。

 

 

バルサは監督がトップがペップ、カンテラエンリケの時にプロスペクトで溢れていた。ペドロとブスケツという『成功例』に続けとばかりに、アゴとラファのアルカンタラ兄弟やバルトラ、ムニエサ、フォンタスのセントラル陣、ラテラルもモントーヤとグリマルドは将来を嘱望されていて、中盤のサンペール、ロベルト、前線ではテージョ、クエンカ、そして神童デウロフェウがいた。

 

今、バルサでプレーしているのは、ロベルトのみ。こんな事を誰が予想したろうか。それほど若手の未来とは不確定であるからこそ夢がある。シティのプロスペクト達も良い未来が待っていると期待したい。

 

 

 

第2部 展望と考察

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バルサでポジショナルプレーを極め、ドイツ『留学』でダブルペンタゴンシステムの可能性を探り、旧友の均したマンチェスターにペップは降臨して今季で6年目になる。

 

『試運転』だった初年度を除き、2年目から本格化したペップシティは5年目までの4年間で325システム(5レーンを攻め落とすトップペンタゴンと5レーンを防衛するボトムペンタゴンからなるダブルペンタゴンシステム)をインストールし、迫撃による『エラー』にも対処しながら国内で圧倒的な存在感を放った

 

大耳では、判定に泣かされたり、打つ手が空転したりと国内とは対照的に苦しんだ。その理由はシンプルで、最終生産者の不在である。

 

そしてボトムの強靭化を任されたメンディの低耐久力である。これによりLBは偽SB化可能なUTのデルフやジンチェンコやカンセロが駆り出され、守備面での穴となっている。

 

絶対的最終生産者不在と絶対的LBの欠如、これはペップシティ未解決問題であり、また5レーン封鎖によるトップペンタの機能不全の問題も浮上した。これらに対しどう向き合うか、一つ一つ見ていこう。

 

(1)最終生産者不在問題

 

バイタルでメッシにフリーでボールを持たせる、レバミュラにサイドからハイクロス爆撃を行う。これがペップチームの必殺技。しかしシティでは必殺技を見つけられずにいる。今まではスペシウム光線で怪獣を倒していたのに、シティではひたすら怪獣が死ぬまで殴り続けるだけだ。

 

アグエロは時に理不尽な得点もあげるが、メッシとレバと比べると理不尽生産に厳しく、また若い頃から耐久力には不安があった。大耳に関して言えば、ペップシティ4年目は決勝Tは全欠場、昨季もほぼ出場出来なかった。今季もケガで移籍先のバルサでのデビューも遅れている。

 

オーバメヤン、サンチェス、常に生産者候補の名前が報じられペップ自身も絶対的な得点源を求めていた。マドリーと結ばれたムバッペ、ライオラの息のかかるハーランドと難しいターゲットに苦しみながら、念願の最終生産者としてケインに狙いを定めた。

 

しかし、レビーの徹底抗戦にあい失敗した。ロナウド、メッシは、守備をしない『脱税者』に苦手意識のあるペップがむべなく拒否。最終生産者不在は6年目に突入する。

 

絶対的最終生産過程の不在が不安を駆り立て、奇策的な応手を『取らされ』一発勝負に沈む負のサイクルから抜け出る為にも最終生産者は必要。そう何度も自分は主張してきた。ペップチームの最大値は最終生産者で決まる。無慈悲な生産者かコアUTを獲得すべきだ

 

一発勝負のビッグマッチ、大耳決勝Tにおいては、最大値こそがモノを言う。分かっていても止められない理不尽な最終生産を持ったチームが確度高く大耳王者になってきた、ここ10数年を考えると、やはり絶対的な最終生産過程を担える選手は必要だ。

 

戦術には限界がある。シメオネ、コンテが大耳を獲れない所を見ても、絶対的な点取り屋がいなければ戦術でカバーできる限界はどうしてもある。現状でも可能性はあるが確率は高くない。

 

残された手はフォーデンの覚醒に賭けるのみ。ギュンゴールには今季も期待できるだろうが目くらましに過ぎず、フェランもどこまで出来るか未知数。現状では絶対的最終生産者がいないという状況に変化なく、天に祈るばかり。

 

しかし合理的にフットボールという偶発性の強い競技における安定的勝利の実現を目指すペップは別の手、昨季のカンセロロールのような妙手を腹案として持っている、それが今季の目玉布陣である鶴翼の陣である。

 

(2)鶴翼の陣と偽偽SB

 

ペップシティは昨季から新たなフェーズに入った。ペンタ対策としてのレーン埋めへの応手という第2期へ突入した。ボトムからトップに加勢する6番目の攻撃手を進撃させるというカンセロロールが放たれ、この6番目攻撃手スキームは今季も継続されると考えられる。

 

カンセロは初期配置のSBとしては守備面に不安を抱え、加勢する6番手というスキームは格上相手では棚上げ。そして昨季大耳決勝におけるサイド封鎖への応手という『宿題』への回答としての新たな6番手スキーム、それこそが235、かつてのVフォーメーションであり、鶴翼の陣である。

 

偽SB×2と4番の3枚でボランチラインを形成するビルドが採用され、4番と偽SB一人が相手FWを引きつけて、DFラインから空いた偽SBにパスが入ると、トップペンタのIHが動きを付けて相手を引きつけサイドへの攻め筋を作る。そして鶴翼は変形する。偽SBからIH、WGにボールが入ると、前線へと駆け上がり6番目の攻撃者へと変貌する。これを自分は偽偽SBと呼んでいる。独力突破性の低いWGの補助にもなりながら、前線へ圧力をかけるラップを内外で行う。

 

偽偽SBは内側に絞る偽SBの位置から純正SBの挙動も要求するもので、こなせる選手はそういない。フィジカル/テクニックという先天的なものが要求される。そしてペップシティにおける数少ない『伸びしろ』ともいえる選手が存在する。それがメンディ。

 

絶対的なLBのレギュラー不足、それでもペップは主だった補強に動かなかった。それはメンディを信じているからだ。WGもこなせそうな突破力、圧倒的なフィジカル、そして破壊的な左足、スペックは最高峰で覚醒すれば歴史的なLBも夢ではない

 

偽偽SBをこなせる可能性のある数少ないメンディに最適配置を叩きこみ、左翼で沈むスターリングを再生させる。そんな未来をペップは見ていたのかもしれない。しかし、これは夢と散る。メンディはシティでプレーする事は絶望的となった。あえて理由については書かない。

 

ウォーカーは偽SBとして235の機能性向上に貢献しているが、偽偽まで出来るかは未知数であり、左もカンセロという格上相手で使いづらい選手しか適合していない。ジンチェンコがこなせるかは微妙で、ベルナルドの転用も実施されるかもしれない。

 

235は前方に多くの駒を放射状に並べる。そしてボランチラインからの配球においてサイドでのコンビネーションの偽偽SBギミックに加え、9番には収められるタイプが求められ、降りてきて収めて最適コマンドで前方へ投げ放つ役割が求められる。フェランが出来るか微妙で、マフレズ、グリ、デラップあたりで出来そうな選手を探索していくしかないかもしれない。

 

そして、6枚を攻めに回す布陣は反転攻勢に対しての防御力の低下を招く。奪還までを想定する『読みの深さ』を攻撃時において意識する必要がある。

 

(3)格下虐殺機関になる恐れ

 

今季のシティは未知数があまりにも多すぎる

 

フォーデンの最終生産者化

収める9番の選定完了

鶴翼のリスクマネジメント

 

 

これらが機能して初めて今季の勝機が出て来る。偽偽SBをこなすには手駒のレベルに問題がある。自分の推測であるが今季、偽偽はリスクの方が高いと考えている。

 

鶴翼は反転攻勢への脆弱性を持つ。偽偽SBはリスクが増すばかりで、特に少数での絶対的最終生産過程を持つチームに対してはボトムは容易に破壊されるはずだ。PSGやリバプール、そしてUTDに破壊される可能性が高い。

 

偽偽SBは一端棚上げがベターだろう。単騎突破可能なWGが不在である事を考えると鶴翼を使いたいところだが、同格以上にはリスクが大きくスターリングにはベンチに座ってもらう必要がある。

 

23を維持しながらもペンタを崩さず上位にあたり、下位に対しては鶴翼の精度を上げるのが良いかもしれない。ただ、それでリーグと大耳を取る事が出来るのだろうか?

 

おそらく今季は厳しいシーズンになる事が予想される。昨季からの上積みが殆どなく新たな6番手スキームも不発に終わるとなると、下位に快勝出来ても、上位陣には苦しむ事が予想される。325だと『埋められる』と手詰まりになり、235で鶴翼展開して偽偽SBを発動すると反転攻勢に脆くなる

 

現実的な落としどころとしては使い分けが一番ベター。しかし、これだと質的優位で相手のペンタゴンを殴り殺す方法を取らざるを得ない。やはり最終生産者は欲しい。。

 

バイエルン2年目もサイドの突破力に依存せずWBを用いて対応したがケガ人も多いこともあり上位には勝てずデブ神やMSNにボコボコにされるなど不安定な闘いを見せた。その時とよく似ている。やはりサイドはSBの補助なしでも勝てるタイプを置くべきで、質的に劣る部分は量的な支出がかさみボトムの安定感を殺す可能性がある。

 

不安定な最終生産過程から奇策を放ち炎上する未来が心配でならない。twitterのTL上で『大耳負けた、ペップ死ね』が広がる景色を見るかもしれないと思うと心が痛くてしょうがない。

 

 

おまけ

 

ここでは、質問箱や直接DMなどで頂いた質問について述べる。

 

Q1 注目チームと選手

 

チームとしては、トゥヘルチェルシー、サッリラツィオ、アレグリユーベに注目している。特にチェルシーは大耳連覇も可能なほどに強靭化していて最終生産者の獲得は本当に羨ましい。完備性のある戦術と再現性、完璧なチーム。サッリとアレグリも新たな組織で何を見せてくれるのか本当に楽しみ。

 

選手としてはリーズのフィリップス、バルサのメンフィスに注目。フィリップスはジーニョ退団時の後釜にもなれそうで好きな選手の一人、メンフィスは開幕時に見た0トップの動きが洗練されており継続的に見たい選手。

 

メンフィスは以前デパイと自分は呼んでいたのだが、父親に捨てられた事への悲しみから父の姓のデパイと呼ばれるのは嫌と本人が感じているらしい、以後気を付けよう。

 

Q2 スターリングは復活するの?

 

今季は鶴翼でSBの偽SBとプロパーSBの両方の役割を担う事により、サイドで独力突破性に苦しむ選手にとっては追い風になる。スターリングは英国のバイエルンを目指す上において重要な国産選手であり、昨季1年の低調なパフォーマンスで切る事はしない、今季1年は我慢しながら様子を見るだろう。

 

ただ、それは『執行猶予』に過ぎず来季放出も十分あり得る。個人的にはシュートの精度の向上とサイドでの判断力を上げないと厳しい。今季の鶴翼は採用自体が厳しくリスクも高い、換金要員となるが、買い手がつくかどうかも難しい。

 

現実的なシナリオとしては昨季より幾何かマシのパフォーマンスは見せるが、決め手に欠き格上相手では後半戦はベンチに座り控えの9番へと向かい、そして契約更改交渉で本人が退団希望をちらつかせる、というものだ。

 

マフレズが偽9番をこなして右に戻るのがベストだろうが、ジェズスも右サイドで新境地を開いている。左で『抜く』のが厳しい以上、判断力を上げるなり、個人能力の向上がないと厳しいかもしれない。

 

右サイドでの突破要員、左サイドでは介護付きの偽翼、というのが現状であり、今季が本人にとっても勝負の一年になるだろう。

 

Q3 今季の移籍市場は大丈夫?

 

ケイン、メッシ、ブラホビッチ、ロナウドとターゲットが報じられるものの、グリ以外獲得なしで終わったシティ。この市場での振る舞いに不満を感じる人もいるのかもしれないが、個人的には何度も言うように最終生産者獲得は必須であった。

 

コロナ禍における市場の停滞で思うように選手を適正価格で換金できず、リスク/ベネフィットを考えた際に投下出来る金額の限界をケインに入札したものの、リビーは無視を決め込んだ。PSGもスパーズもそうだが、市場の停滞を考えて、トップ選手の放出によるプロスペクト集めも厳しいと踏んだのかもしれない。

 

スパーズにとってケインの国内クラブ放出は事実上のコンテンダーの放棄宣言であり、長期契約を結んですぐの放出はクラブのプライドが許さなかったのか。現実的なリビーらしくないオペレーションと自分は感じた。

 

シティ、リバプールチェルシー、UTD、レスターとトップ4を争うメンツは錚々たるものでELを制覇するかCLを上記のクラブが制覇するでもしないと厳しい。2年連続の大耳出場不可、となれば流石にケイン放出(というよりも当人の年齢と実力を考えると解放に近いか)も考慮する可能性があり、マフレズのように1年遅れ獲得になる可能性も十分ある。

 

なによりシティの本命はケインではなくハーランドだろう。この事がノイズになっている。ライオラは転売が三度の飯より大好きで、数年したらリーガへの移籍も十分あるためシティの長期計画に沿う9番か疑問もある。一番はハーランドの意思。ムバッペもそうだが原体験としての憧れがモノを言いそうで、そういう意味でも英国のバイエルンというブランド化のためにケイン獲得へ再度向かうかもしれない。いずれにせよ最終生産者獲得がなければ大耳獲得は厳しいと考える自分にとって、成功させてほしいオペレーションである。

 

メッシとロナウドに関してはグリに金を費やしすぎたこともあるかもしれないが、守備をしない最終生産者はいらない、というクライフ描像への遵守がペップの中にはあったのかもしれない。

 

Kane or Nothingが基本方針で、適正価格と適性給与は遵守する、という中でやれる限界の事はしたはずだ。マーケット最終日にSBの獲得の噂も出たが、攻撃的SBの評価を受ける選手は当たり外れが大きく、パニックバイするほどの選手か何ともいえない。

 

 

〇最後に

 

最終生産者を獲得出来ず、色男一人が加入して騒々しい夏が終わったマンチェスターシティ。プレミアはかつてないほどに金銭や人的資本が集中し世界最高峰のリーグへと肥大化を続けている。

 

個人的には今季は我慢や辛抱も多くストレスフルなシーズンになりそうだ、鶴翼の実装や新たな攻め手の開発にも着手するだろう、そして来季に最終生産者を招き完成の一年とするのではないか。

 

海原に

霞たなびき

鶴の音の

悲しき宵は

国辺し思ほゆ  (大伴家持)

 

 

ペップシティは、今季こそ大耳を制覇できるのだろうか。

 

最終生産者のいた故郷カタルーニャへのノスタルジアを抱えながら鶴の翼を広げたペップシティのスカイブルーの戦士たちは不安な霞が漂う明日へと向かっていく。

 

その終点がサンクトペテルブルグである事をただただ祈るばかりである。